「なぜ乱暴者扱いに?」保育園で女児の顔を叩いた3歳児のママ、その悲痛な胸中
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
幼児は、言語コミュニケーションが未発達なため、幼稚園や保育園で“園児同士のトラブル”を起こしやすい。それを保育士から伝え聞いた保護者が、子を思うあまり「うちの子だけが悪いのか……」「これぐらいのことで注意されるなんて理不尽だ」という葛藤を抱えることもあるという。今回は、そんな当事者たちの声を取り上げる。
首都圏にある認可保育園に、3歳になる男児を通わせている由樹さん(仮名)は、園側とのトラブルのため転園を視野に入れているという。
「うちの子は、言葉の発達が少し遅いため、つい手が出てしまうんです。この前、5歳の女児の顔を叩いてしまったらしくて、保育士から、『家でも手を出さないように注意してください』と言われました。もちろん、叩いてしまったことは悪いことなので、子どもに注意はしましたが、でも5歳児なら、3歳児よりも体が大きいし、避けることだってできると思うんです……。5歳児のママさんの間では、うちの子が乱暴だとウワサになっているみたいで、エントランスで会うと避けられるようになりました」
このように、幼児同士のトラブルは、加害者側の保護者が「うちでは良い子なのに……」と、状況を理解しないケースも多いのかもしれない。由樹さんは「市が行う3歳児検診でも問題がないと診断されているのに、保育士が『息子さんには多動や衝動性があるので、一度、検査を受けるように』と言ってくるんです。息子がお友達の腕をかじったり、遊具の順番を守れずかんしゃくを起こすため、加配(発達障害、自閉症、言葉の遅れなどが認められた子3人に対して、保育園の先生を1人余分につける制度)のある園への転園をやんわりと勧められています」と納得がいかない表情を示す。