サイゾーウーマンコラムオンナ万引きGメン日誌万引き犯の熟年女性に社長絶句 コラム 【連載】オンナ万引きGメン日誌 「あの人、見覚えがある……」万引きGメンが捕まえた熟年女性、その正体にスーパーの社長も絶句 2019/01/26 17:00 オンナ万引きGメン日誌 「冗談だよな?」と社長驚愕……熟女女性の正体 「万引きです……」 事務所に到着して、被疑者である熟年女性を社長に引き渡すと、社長の口から思わぬ言葉が飛び出しました。 「あれ、おかみさんじゃねえか。おいおい、ウソだろ? 冗談だよな?」 「お知り合いなんですか?」 「この人、目の前にある中華屋の奥さんだよ」 「ああ、あそこの……」 どこかで見かけた理由が判明して、少しスッキリしましたが、社長の怒りは徐々に大きくなっていきます。 「おかみさん、一体どういうつもりなんだよ。いままでに、何度もやってんだろう? 毎日のように通って、毎年の新年会と忘年会でも使っているのに、これはあんまりじゃねえか?」 「社長さん、ごめんなさい! もうしないし、これも買わせてもらいますから、勘弁してもらえませんか?」 「そんな簡単に許せるわけねえだろ。この油、店で使うんだろ? 親父さんも知ってるのか?」 「はい。でも、私が勝手にやったことです。お願いですから、主人には言わないでください! 離婚されちゃう……」 お店で使うために万引きしたと白状したおかみさんは、その場に土下座すると、床に顔つけるようにして体を丸めて泣き始めました。それを見た社長は、フンと鼻で笑うと、その場で電話をかけ始めます。 「毎度、スーパーMです。親父さん、ランチ終わったろ? おかみさんのことで、ちょっと大事な話があるんだ。いますぐ店の事務所に顔出してくれねえかな……」 すぐに駆け付けてきた親父さんは、床にうずくまるおかみさんの姿を見て狼狽すると、まるで状況が呑み込めていない様子で言いました。 「おまえ、どうした?」 「あんた、ごめんなさい! 許して!」 その後、警察を呼ばないことを条件に、過去の犯行も告白したおかみさんは、いままでに何度も、油や米、調味料などを盗み出していたことを認めました。その理由は、お店の経費を浮かすため。おかみさんの犯歴を聞く親父さんの顔は、この上なく痛々しく、見ていてとてもつらかったです。結局、いままでの分を含めた形で被害弁償することで示談した社長は、警察を呼ぶことなく2人を解放しました。示談金の額は、15万円。この額面が多いか少ないかはわかりませんが、利害関係人が納得しているので、きっと妥当な額なのでしょう。 それからだいぶ後ですが、件の夫婦が営む例の中華料理屋でランチをとってきました。お世辞にもはやっているとはいえないものの、その様子に特別な変化はなく、いまもご夫婦で営業されておられましたよ。チャーハンをいただきながら、以前と変わらないおかみさんを見て、離婚されなくてよかったねと、心の中でつぶやきました。 (文=澄江、監修=伊東ゆう) 前のページ123 最終更新:2019/01/26 17:00 Amazon 万引き女子〈未来〉の生活と意見 1本ではなく6本というのが根深さを物語るよ 関連記事 女子小学生の常習犯を捕捉! 万引きGメンがいまだかつて聞いたことのない「盗みの理由」万引きGメンの私が怒りで震えた――「摂食障害」主張するオンナの“階段での挑発”と“弁明”「窃盗症(クレプトマニア)には刑罰より治療を」ベテラン万引きGメンの私が納得できないワケ同棲中の彼氏からDV……顔を腫らしたオンナ万引き犯、Gメンが絶句した「逮捕後の真実」万引きGメンに捕まって“失禁”――店長も呆れ果てた「タワマン専業主婦」が盗んだモノ 次の記事 【21回】謎のイケメン交えたトラブル >