小室圭氏は、皇室の“暗黙の了解”を理解していない……金銭トラブル「解決済み」の文書に思うこと
アルバイトの身で、眞子内親王へのプロポーズ。そして、母親の元婚約者との金銭トラブルと、国民が小室氏に向ける視線はだんだんと厳しくなっている。
昨年11月、秋篠宮さまがお誕生日会見で「今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理して、問題をクリアにすること」「そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」とお話しになった。
恐らく、秋篠宮さまのおっしゃる「話題になっていること」とは、母親の元婚約者との金銭トラブルだろう。2017年に「週刊女性」(主婦と生活社)が報じたところによると、小室氏の母親の婚約者(当時)は、大学の授業料やアナウンススクールの学費、生活費など、計400万円を援助していたものの、だんだんと自分は単なる財布ではないかと疑問を持ち始めたという。婚約を解消した後に、この400万円を返してほしいと訴えると、当初は「月1万ずつしか返せない」と言っていたが、のちに「お金は贈与されたもので、返す理由はない」と主張してきたそうだ。
法律的に言うのなら、借用書がないので、元婚約者が400万円を取り返すのは難しいそうだ。結果的に、元婚約者があきらめるしかないのだろうが、それにしても不思議なのは小室親子なのである。
小室氏の母親は、いくら法的に問題がないからといって、こうやってマスコミに騒がれていたら、最愛の息子の結婚を妨害することになると、なぜ思わないのだろうか? 小室氏も不思議である。母親の問題がもとで、プリンセスに迷惑をかけていると思うのなら、専門家を入れて納得してもらう方法を探そすだろう。多くの国民が疑問に思っているのは、借金というより、小室親子の態度のように思うのだ。
秋篠宮さまの発言を受けてなのか、小室氏は1月22日に代理人を通じて、見解を発表した。内容をまとめると
・金銭的な援助を受けたのは事実
・婚約を解消した時に、支援を精算したいと申し出たら「返してもらうつもりはなかった」と言われた
・1年後に急にまた返してくれと言い出したけれど、解決済みと思っている
といった具合。
しかし、元婚約者は「朝日新聞」の取材に対し、「トラブルは解決していない」と反論、両者の主張は平行線となっている。小室氏の文面から伝わってくるのは、清々しいまでの“カネを払う気の無さ”である。「どうか温かく見守っていただけますと、幸いでございます」と文書を締めくくっているが、これで「納得した、応援しよう!」という気持ちになれる人がいるのか、私には疑問だ。
プリンセスは、いまだに結婚に前向きと言われているが、無理もないだろう。というのも、プリンセスが一番理解できないものが、カネというか、金銭トラブルなのだろうから。
『美智子皇后の「いのちの旅」』によると、天皇家は質素な生活をされており、浩宮さまの学習院初等科時代の制服は、天皇陛下のお下がりだったそうだ。しかし、カネがあるのに質素であることと、本当にカネがない状態では雲泥の差である。物は試しで、プリンセスは年収300万円の家庭に1週間ホームステイされたらいかがだろう。恐らく、プリンセスにとっては想像を絶する世界で、なぜ周囲が反対するか、すぐに理解されるのではないか。
しかし、小室家のカネを払いたくない体質というのは、一種の光明である。カネを払いたくないというのは、カネを重要視するということであるから、交渉の際にカネを与えることで要求を通すこともできるからだ。
国民からの祝福が得られず、正式な婚約もできないまま時を過ごすのは時間の無駄だし、何より、国民のプリンセスに対する敬愛の念が薄れてしまうのではないか。カネで解決できることは、実はたいした問題ではないと言うこともできるだろう。秋篠宮さまのご英断を待つのは、私だけではないはずだ。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの」