サイゾーウーマンカルチャーインタビューADHD女性が抱える“しんどさ” カルチャー インタビュー【前編】 ADHD女性が抱える“しんどさ”の正体――精神科医が語る「女性は家事が得意」の重圧 2019/01/19 17:00 インタビュー ADHDの陰に潜む“性差” ――本書は、『わたし、ADHDガール。恋と仕事に困ってます。』というタイトルの通り、ADHD女性に特化した内容になっています。女性ならではのADHDの苦労というのはあるのでしょうか。 司馬 発達障害は男性に多いと言われていますが、「困っている」と自覚している大人の女性は多い。女性は小さい頃から、周りの親や教師などから“女の子なのにどうか”というふうに、厳しい評価にさらされがち。性差という部分でも、ADHDの女性はしんどさを感じやすい面があるため、自己肯定感も弱くなりやすいのです。 ――具体的にはどういうことでしょうか。 司馬 先ほど、片づけができないことに悩むADHD女性が多いと言いましたが、女性は「家事が得意」「水回りも綺麗にしている」「しっかり者」といった世間のイメージがあるんです。男性がシンク周りを汚くしていても「やっぱり男の子ね」「男だからしょうがない」で済むのに、女性の場合は「女として最低」などと、存在を否定されてしまいがち。同じくらいだらしなくても、女性だけが、周りからなんだかんだと言われるようです。 それに日本の女性は、結婚、出産にともない、たくさんの役割を担わされる面がある。結婚をしたら、たとえ共働きでも、女性の方が家事をするものだという風潮が根強くありますし、また、いまだに育児の主な担い手は女性です。このように、日本の女性は社会に求められる役割が多いだけに、ADHD女性が生きづらさを感じやすいのではないでしょうか。 (取材・文=池守りぜね) (後編につづく) 司馬理英子(しば・りえこ) 1978年 岡山大学医学部卒。医学博士。1983年に同大学大学院卒業後、渡米。アメリカで4人の子どもを育てながら、ADHDについて研鑽を積む。1997年『のび太・ジャイアン症候群』(主婦の友社)を上梓。同年帰国し、司馬クリニックを開院。中学生までの子どもと大人の女性を専門に、治療を行う。 前のページ123 最終更新:2019/01/19 17:00 Amazon わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。 「女として」という目が、つらさを倍増させてゆく…… 関連記事 初体験はインド人、親に内緒で中国人と入籍……刺激を求める「ADHD女子」の恋愛遍歴とは?有村藍里が、妹・架純に劣等感抱くワケ――精神科医が語る、姉妹間の“容姿コンプレックス”「多くの男性はまともなセックスを知らない」精神科医が語る、性教育の限界と必要性国民は小室圭さんに嫉妬している――精神科医が「眞子さまとの結婚騒動が盛り上がるワケ」を考察TBS・宇垣美里アナを精神科医が一刀両断! ストレス回避法の“マイメロ論”は「鬱になる危険も」 次の記事 歌舞伎町の元風俗嬢が語る“ホス狂い” >