“中学受験”に見る親と子の姿

学力優秀な息子が、名門私立に落ちた理由――中学受験の“都市伝説”に翻弄された母の姿

2018/12/22 16:00
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“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 首都圏だけでも毎年5万人もの受験生がいると言われている中学受験。「親子の受験」である側面を考えると、“受験生”の総計は、この5万という数字の上に、その子たちの親の数が加算されるわけだ。

 これだけの人が集まると、本来の受験とはかけ離れたところで、親同士、特に母同士の“戦い”が勃発することがなきにしもあらず。よその子どもの成績が異様に気になりだし、子どもを通じて探らせてみるのは序の口で、ひどい場合だと、倍率を落とそうとして志望校に関する良くない情報を流したり、真偽不明のウワサ話を触れ回る母も出現する。実際に、水面下で足の引っ張り合いをしている中学受験生の母は珍しくない。

 今回は、ママ友から聞いた“都市伝説”のような話を鵜呑みにし、翻弄されてしまった母の事例をご紹介しよう。


首都圏版 中学受験案内 2019年度用