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セックスは「拒否する方」が悪者なのか? 夫婦間のセックスレス問題、弁護士の見解は

2018/12/07 19:45

 一方で、山岸氏は「配偶者が拒否しているのに、性交渉を強要することも、離婚理由となり得る」と指摘する。配偶者から、「したくないのに、しなければいけない」という多大な精神的負担を与えられたことが、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があるというのだ。

 また、法律上の言葉で、「強要」とは、「『相手を抗拒不能にする暴行、脅迫』を指します。要するに、相手が抵抗できないほどの暴力や脅しによるのが、『強要』です」。夫婦間においても、強制性交等罪という犯罪が成立する場合があるのは、今ではよく知られた話だが、そういった背景を踏まえ、あらためて「セックスしたい側」「セックスをしたくない側」、法的に立場が弱くなるのは一体どちらかと山岸氏に問うてみたところ、そこは「場合によるのでどちらとも言えません」とのことだった。

 そもそも法的には、「『結婚してる夫婦は、他人とセックスしてはいけない』とあるだけで、特に夫婦のセックスを義務付けているわけではありません」という山岸氏。そこからわかるのは、「セックスしたい側」「セックスをしたくない側」のどちらが悪いのかではなく、「『する/しない』を夫婦が話し合えることが、大切なのではないかということ。話し合いもせずに『する/しない』を一方的に決めてしまえば、それは離婚原因にもなり得るわけです」。

 「日本の夫婦の約半数がセックスレス」という現状があるが、山岸氏はそれを少子化問題に絡め、「子どもを授かりたくなるような政策……例えば、子ども手当てだけではなく、1人生まれたらいくら、2人目はいくらという補助金制度や、子どもの人数による所得控除(税金優遇、住宅購入補助など)を実施しなければならないと感じています」と語る。

 今後、セックスレス夫婦が増えていくか、はたまた制度が整うことによって減少に転じるかは定かではない。しかし夫婦関係において「話し合わずに一方が決める」ことが破綻のきっかけになり得るのは、どんな社会でも変わらないのではないだろうか。

最終更新:2018/12/07 20:15
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