カルチャー
インタビュー

「セックスレスだけど子どもが欲しい」は間違いなのか? 不妊治療専門病院の医師に聞く

2018/12/08 16:40

――では先生は、「セックスレスだけど子どもが欲しい」という考えについては……。

小山 別に間違っていないと思います。患者さんに「まずはタイミング法を」とも言っていませんし、人工受精をスムーズに行っています。ゴールは妊娠であり、赤ちゃんを産んで育てること。その過程は、選択してもいいんじゃないかと私は考えますね。

 「セックスレスだけど子どもが欲しい」と思うことに後ろめたさを感じるのは、「自然妊娠が一番いい」という思い込みが強いからなのではないでしょうか。患者さんの中には、現状セックスレスだけど、それを解消して自然妊娠をしたいという方もいらっしゃるんですよ。でもやっぱり、毎月タイミング法でセックスしなければいけないことが負担になり、ご夫婦の仲が悪くなってしまうケースもあります。長々と自然妊娠にこだわって年齢を重ね、結果、妊娠できなくなることこそ、避けなければいけないと思いますね。

――自然妊娠信仰というのがあるのですね。

小山 日本人って、何かと“自然”が好き。例えば分娩方法もそうです。最近でこそ、無痛分娩はポピュラーになってきましたが、少し前までは「痛みを味わってこそ母の資格を得られる」などと言われていました。海外では無痛分娩、帝王切開が主流なのですが……。無痛分娩は、自然分娩より体への負担がかからないので楽だからおススメですし、私自身「痛みを感じなければいけない理由があるのかな」とも思います。もちろん、積極的に自然分娩を選択する方はそれでいいと思いますが、ほかにも選択肢があることは知ってもいいのかなと。また、体外受精においても、排卵誘発剤を使用しないで採卵する「自然周期」がはやっているのも、“自然”が好きな日本らしい側面です。海外ではそんなことはないんですよ。

――「セックスレスだけど子どもが欲しい」ことに葛藤を覚えてしまうのは、古い価値観にとらわれている証拠なのだと実感しました。

小山 不妊や性感染症など、日本は性に関する情報が遅れていますよね。共働き夫婦が増え、専業主婦の女性が減少し、以前に比べて生活スタイルはいっぺんしています。妊娠の仕方も、そういった変化に沿うべき。多様な選択肢があることを知ってほしいですね。

小山寿美江(こやま・すみえ)
六本木レディースクリニック院長。琉球大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院救急救命センター、昭和大学病院産婦人科、木場公園クリニック分院にて院長として勤務。その後、2016年より六本木レディースクリニックにて勤務、17年1月より院長を務める。

最終更新:2018/12/08 16:42
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