コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

「テストの点改ざん」「親のお金を盗む」中学受験どころではなくなった、元優等生女子の復活劇

2018/11/25 16:00
Photo by Photography from AC

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 中学受験はどう取り繕おうが、子どもに対して「勉強」というものを、文字通り「強く」「勉めさせる」ものである。自発的に勉強し続ける子もいるにはいるが、大抵は親がスケジュール管理をしながら、志望校合格までの道のりを伴走する。

 当然、そこには、遊びたい盛りの子どもに、「遊び」よりも「勉強」を優先させなければならないという親の葛藤が生まれる。「受験するのだ!」という親子の覚悟があってこその受験道なのだが、やはり一筋縄ではいかない世界。中には、さまざまな理由により、中学受験を途中で辞めるケース、またリタイアしたものの「やっぱりやろう」と戻ってくるケースも稀ではない。

 今回はそんな再チャレンジした親子の話をしてみたい。

受験と水泳の両立で過労に……

 雄介君は水泳に熱中していたが、学区公立中学にはプールがなく、従って水泳部もなかったそうだ。このまま公立中学に進学して、ほかの部活動とスイミングスクールでの活動を両立させるか、私立の水泳部のある設備の整った環境に進ませるかという2つの選択肢がある中、雄介君は新5年生の段階で中学受験を自ら選択したという。

 小5の雄介君のスケジュールは次の通り。

 学校の後は、週3日塾に通い、塾がない日はスイミングスクール、週末は模試。

 最初はどうにか両立でき、成績も順調に上がっていったそうだが、小学6年になった5月、雄介君に悪夢のような出来事が襲う。「急性胃腸炎」で緊急入院となり、入院期間は2週間に及んだという。

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