伝説の芸人・横山やすしの“親分”が語る! 元極妻が見た「平成ヤクザ最大のタブー事件」
そんな芸人さんとのほのぼの(?)エピソードはともかく、中野会長と中野会を有名にしたのは、1997年8月の五代目山口組若頭の射殺事件です。若頭という大幹部を射殺するなんて、タブー中のタブーですからね。しかも駅前のホテルのティーラウンジだったために、流れ弾に当たって一般の方も亡くなられています。
警察の捜査は時間がかかっていますが、なぜかその日のうちに「犯人は中野会」と知れ渡っていて、中野会長はすぐに山口組執行部から破門処分を受けます。思えばここからヘンでしたね。事件直後で、警察が特定する前から執行部は中野会の犯行と決めつけて中野会長を処分したんです。
若頭殺しという大罪のわりには復帰の余地のある「破門」なのもおかしいですね。数日後に巻き添えの方が亡くなったことでより重い「絶縁」となりましたが、いずれにしても警察が犯人を特定する前の処分です。そもそも渡邉芳則五代目が「まだ犯人と決まったわけではない」と言って、厳正な処分を望まなかったと聞いています。これが「若頭射殺を指示したのは五代目ではないか説」の根拠となるわけですが、五代目もとっくに亡くなられているので、今となってはわかりません。そして、中野会長は、事件後に子分さんたちに「ウチはこの事件はやっていないが、つらいなら、ほかの組織に行っていい。いずれワシも復帰する」と言ったそうです。
つまり、警察もまだ結論を出しておらず、本人も否定しているのに、山口組執行部はソッコーで「中野会の犯行」としたんですね。確かに実際に逮捕されたのは中野会系の組員さんでしたが、それはだいぶたってからです。それに、中野会長ご本人は今日に至るまでこの件に関しては逮捕されていません(この本が原因で傘寿過ぎなのに取り調べとかないといいですね)。
謎が多く、裏社会では「平成最大のタブー」といわれたこの事件、「当事者」の中野さんは何を語られるのでしょうか。12月発売だそうで、とても楽しみです。