小6初夏、初潮の訪れとともに娘が激変! 母をうろたえさせる「中学受験と女子の反抗期」
美月ちゃんのお母さんである雅恵さんも、当然ながら心配し、「今はスランプなだけ」「努力は裏切らないから」と言って慰めていたそうだが、美月ちゃんは雅恵さんにこう言い返したという。
「もう黙れ! いろいろとうざい!」
「娘から、こんな言葉遣いをされたことはない」と、雅恵さんはとてもショックを受けたそうだ。当時の困惑ぶりを、次のように振り返る。
「あんなに素直で優しかった美月が鬼のような形相で、私に『黙れ!』って言うものですから、私もついカッとなって『あなたのためでしょ?』って言っちゃったんです。そしたら、美月は『どうせ、お母さんは成績の良い子が好きなだけでしょ?』と……。成績が良くても悪くても、常に美月を精一杯愛していたつもりだったのに、この子はそうは感じていなかったのかって思ったら、もう、どうしていいかわかりませんでした」
そこで、雅恵さんは塾の先生に泣きながら相談。さすがはいろいろな子どもたちを見てきた塾の先生だけに、こんな対応を取ってくれたという。
まずは、美月ちゃんとも旧知の仲である、中学受験経験者の女性スタッフが「美月ちゃん専任」となり、美月ちゃんの話を徹底的に聞くように努めたそうだ。最初は話もしたがらなかったらしいが、塾のない日に自習室に来るように促してみたりするうちに、徐々にその女性スタッフに心を開いてくれるようになったという。
「どうしてイライラするのかわからない。受験はやめたくないのに、成績が落ちてしまって自信がない。でも、どうしたら成績が上がるのかもわからない……」
女性スタッフは「うんうん、つらいね……」といった全面的同意に終始しながらも、折を見て自らの経験談を話して聞かせたのだそうだ。すなわち「自分もそうだった」ということを伝えたのだ。あくまでも自分の経験だけだが、「自分はこうやって乗り越えた」「自分が乗り越えられたくらいだから、もっと優秀な美月ちゃんならきっと志望校合格もできる」「楽しい中学校生活ができるよ」というようなことを告げたらしい。
その具体的ノウハウは、「生理が来たことによる体調の変化への理解」であるとか「模試の前に飲む整腸剤」「相対評価ではない、美月ちゃん自身の問題の理解度を示した一覧表(スタッフの手作り)を確認」さらには「志望校へのモチベーションの再構築」だったそうだ。そして母である雅恵さんは、美月ちゃんと女性スタッフの交流に口を出さず、あえて身を引き、見守ることに徹したという。