小6初夏、初潮の訪れとともに娘が激変! 母をうろたえさせる「中学受験と女子の反抗期」
“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。
中学受験における母の悩みの1つに、「子どもの反抗期」問題がある。特に女の子は、小学校高学年で本格的な反抗期を迎える子も少なくないので、親子バトルに発展。受験勉強に強烈なブレーキをかけることになってしまうと嘆く母が続出するのだ。今回は娘の反抗期が中学受験期に訪れたら、どうなるのか? を今回は2人の事例でご紹介しよう。
名門A女子と制服がおしゃれなB女子――対立する母娘
リナちゃんは小学校低学年の頃から、おしゃれで早熟な子であったそうだ。同じクラスの男子がとても幼く映り、特に授業妨害を繰り返す男子を「野蛮な人たち」という目でしか見られなかったという。
リナちゃんの中学受験の動機は「この人たちがいないところに行きたい」。すなわち、女子校進学希望だった。リナちゃんが、そのことをお母さんである真理子さんに告げると、真理子さんは、「ちゃんとした躾教育」を行うことで知られる名門女子校Aを推してきたそうだ。しかし、リナちゃんはその意見を「ママは最初からA女子ありきで、私のことは考えてない」と受け取ったようだ。
リナちゃんが望んでいた学校は、制服がおしゃれなことで有名な女子校Bで、どちらかと言えば、真理子さんが推す学校とは対極な印象を持つ学校。ここで親子の意見が乖離してしまったのだ。
当然、反抗期を迎えているリナちゃんは、真理子さんに猛反発。真理子さんも負けじと応戦する日々だったという。
結果、リナちゃんはA女子、B女子共に受験し、両方の合格を勝ち取った。しかし、ここで問題が発生。リナちゃんは当然、B女子に通いたいと希望したが、周囲がそれに反対したのだ。当時A女子は、名門校というだけでなく、B女子より偏差値が高かった。真理子さんだけでなく、合格発表の時に初めて参戦してきた父親もA女子に軍配を上げ、さらに塾もA女子の方が聞こえが良いと見え、そちらをプッシュしてきたそうだ。
結局、学費を出してもらう立場のリナちゃんは親の意向には逆らえず、A女子に進学を決めるが、哀しいことに「B女子に行きたかった」という思いをずっと拭い去ることはできなかったという。