東京B少年の「Cosmic Melody」、あらゆる“負の感情”を浄化してしまう恐ろしい魅力
それが最大限に発揮されているのが、東京B少年のオリジナル曲「Cosmic Melody」、通称「コズメロ」である。10代の男の子たちにしか歌えない歌詞・メロディーであることに加え、この曲のすごさは、全ての妬み嫉みなどの黒い感情を浄化してしまうパワーを持つこと。
一度「音」だけを聞く限りは、さほどインパクトの強い曲ではない。しかし、飽きることはまったくなく、ジワジワと好きになる。それどころか、初めて聞いたときからずっと右肩上がり、現在が常に「好き」のピークにある曲って、稀有じゃないだろうか。聞くたびにモヤモヤした思いやイライラ、つらさが解消され、穏やかな気持ちに包まれていく。いつでも何度でも聞いて・見ていられる不思議な魅力があるのだ。
ピンクあるいは純白+金色のキラキラ衣装に身を包んだ、ピカピカの6人組。「Wow~oh~」と、腕を組んで左右に揺れる謎の動きから始まり、星がキラキラ降り注ぐ可愛さ満点の振りに目を奪われる。そこから「ミラーボール回して~♪」と歌い、屈んだ最年少・金指一世をみんながグルグル回すという面白可愛い演出が登場。
そして、メンバー全員が横並びになり、「1つ」「2つ」「3つ」……と数えながら自ら「並んだ星たち」を表現するところなどは、あまりの可愛さにハラハラしてくる。さらにキラキラ笑顔で歌う「目の前の今日は、もう二度とは来ない 現実の先へWe can make it」というフレーズなどは、すでに失った日々が多すぎる身にとっては愛おしすぎて切なすぎて、聞くたびなんだか涙が溢れそうになる。
最後に「幾千の日々 じかんを超えて奏でてゆく」のところでは星型のような陣形で向き合い、顔を見合わせ、自然に微笑みがこぼれてしまう少年たちの姿を見ていたら、思わず見る側までも微笑みがこぼれてしまう(たぶん傍から見ると、ニヤニヤしている恐ろしい光景に違いない)。
イライラやモヤモヤなど、あらゆる「負」の感情を飲み込んでしまう東京B少年の「Cosmic Melody」。ある意味、人間を骨抜きにする恐ろしい攻撃力なのかもしれない。
(田幸和歌子)