サイゾーウーマンカルチャーインタビュー男性のリベンジポルノ被害は軽視? カルチャー インタビュー ジャニーズのベッド写真も続々流出……男性のリベンジポルノ被害はなぜ「軽視」されるのか? 2018/11/03 19:00 インタビュー 『リベンジポルノ―性を拡散される若者たち』(弘文堂) 元交際相手や元配偶者への報復として、相手のプライベートな性的写真や映像を不特定多数に公開する“リベンジポルノ”。2014年に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称・リベンジポルノ防止法)が成立してから、週刊誌に掲載される、芸能人の「ベッド写真」「全裸写真」の扱いも、徐々に変化している。 例えば、以前であれば、実名かつ顔などに何のモザイク処理も施されず掲載されていたものが、近年では、「女性タレント」「女子アナ」などの肩書の紹介のみにとどまり、顔や耳など、個人を特定されかねない部分にはモザイクが入るようになった。こうしたベッド写真がスクープされるたびに、ネット上では「一体誰なのか?」が盛んに議論され、騒ぎがさらに大きくなっていくのはよくあるケースである。 週刊誌サイドは、リベンジポルノ防止法に抵触しないよう、個人を特定できないようにしているということなのだろうが、ここで、ある疑問が浮かぶ。それは、女性タレントにこうした対応が取られる一方、男性タレントは、今も実名かつモザイク一切なしの写真が掲載されていることだ。最近でも、関ジャニ∞・大倉忠義、錦戸亮のベッド写真が週刊誌に掲載されており、ネット上では「これはリベンジポルノではないのか?」と声を上げる人も散見された。 リベンジポルノ防止法の内容を詳しく見てみると、「私事性的画像記録」の定義に「1.性交又は性交類似行為に係る人の姿態」「2.他人が人の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」「3.衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」とある。 これらには該当しないと判断され、実名かつモザイクなしで掲載されたのかもしれないが、芸能人に限らず、被写体が男性の場合、それがリベンジポルノであるという意識が浸透していない可能性もあるのではないだろうか。そんな疑問を、『リベンジポルノ―性を拡散される若者たち』(弘文堂)の著者であるメディア学者・渡辺真由子氏に話したところ、男性のリベンジポルノ被害が可視化されにくい背景が見えてきた。 次のページ 男性の裸は「笑いのネタ」になってしまう 123次のページ Amazon リベンジポルノ―性を拡散される若者たち 関連記事 ロボットデリヘル炎上――「しゃべらない」「モノ化する」風俗嬢の危険性を、当事者視点で考察性犯罪被害に遭っても証拠が残りにくい? 卑劣な「デートレイプドラッグ」の実態「痴漢は社会的地位のある人が多い」加害者臨床の専門家と弁護士が語る、性犯罪者の実態レイプ被害に遭ったら必要なのに、「緊急避妊薬」の市販化が見送られた理由「山口敬之レイプ疑惑」に新たな事実も!? 東京新聞・望月衣塑子記者が語る、報道の裏側