「いじめ隠蔽!」とクレームも! 保育園の「連絡帳」に悩むママと保育士の本音とは?
個人情報が記入された、連絡帳取り違えミスも
連絡帳が問題になるのは、“記入内容”だけではないようだ。認可保育園に3歳になる女児を通わせている康子さん(仮名)は、重要事項を書いた紙を、園側が手渡しではなく連絡帳に入れたためにトラブルが起きたと語る。
「うちの園は、プリントなどの配布物は手渡しではなく、連絡帳のケースに入れて渡されるんです。個人面談の時間を知らせる紙も、連絡帳に入って渡されて、口頭での確認はなし。そのせいなのか、この前、保育園側のミスで、個人面談の時間帯がほかの園児とダブルブッキングされていたんです。同じクラスに、娘と名前が一文字違いの女の子がいるんですが、連絡帳についている名前がひらがなで書いてあり、ぱっと見はどちらかわかりづらく、間違えられたのかもしれません……」
連絡帳は形式が同じものを園児みんなで使うため、入れ違いなどが起きやすい。ベッドタウンにある大型幼稚園に娘を通わせている由香里さん(仮名)も、その経験者だ。
「うちの連絡帳は、毎日の記入欄はあまりないのですが、自宅の住所や緊急連絡先から、保険証の番号など個人情報が記入されているので、園側のミスによる入れ間違いが起きた時には焦りました。連休前だったので、すぐにでも自分の分を取り戻したかったのに、園の対応が鈍くて、『来週持ってきてください』『取り違えた相手は個人情報になるのでお伝えできません』と納得がいかないものでした。連絡帳のことで文句を言うと、これくらいのことで、とクレーマーのように思われそうで、我慢しています」
オフィスでは年々、ペーパーレスの傾向になる中、いまだ全て手書きというアナログの作業が、ママと保育士の手を煩わせ、かつトラブルを誘発しているのかもしれない。「手書きの必然性はあるのか?」「記入の簡易化はできないか?」を考えることで、連絡帳は誰にとっても、苦に感じられなくなるのではないだろうか。
(池守りぜね)