「いじめ隠蔽!」とクレームも! 保育園の「連絡帳」に悩むママと保育士の本音とは?
一方で、ママたちだけではなく、保育士側にとっても、連絡帳の記入は、時間がかかる作業の1つだという。昨年から、都内の大型保育所で働き始めた友恵さん(仮名)は、「うちの園長は、ずっと現場で保育士をしていたので、働いている保育士に対してすごく厳しいんです。1年目の保育士が書く連絡帳には、園長の内容チェックが入ります。『今日も元気でした』という一文だけで済まそうとすると、『どういうふうに元気だったの?』『昨日と同じことを書かないで』と注意されるんです。基本的には、子どもたちの午睡時間を使って連絡帳を記入しているのですが、1人で4~5冊も書いていると、全部の園児たちの様子を毎日見ているわけではないので、書くことがない時もあるんです……」と漏らす。
また、SNSなどでたまに話題になる、絵が得意な保育士によるイラスト入りの連絡帳。ママたちの間でも好評らしいが、友恵さんはこういった状況に、働きづらさと感じているそうだ。
「園児の似顔絵のイラストが得意な同僚がいて、私が連絡帳を書くと『イラストが得意な先生の方が良かった』と、残念がられるんです。あくまで、園児たちの日常生活を知らせるための連絡帳なのに……」
ほかにも、連絡帳がクレームの元になることもある。園によっては、子ども同士のケガのトラブルなどは、引き渡しの時に口頭で説明するように徹底しているというが、ママの中には「なぜ連絡帳に書かないのか?」と不信感を抱く人もいるという。
「連絡帳には、個人情報になるため、誰と誰がどうしたというトラブルは書かない傾向にあるんです。それを『園がいじめを隠蔽している』とクレームを言ってきたママもいました。たった連絡帳一つで、ここまでトラブルが多いとは思いませんでした……。子どもの成長を丁寧に書こうとすると、休憩時間を削るしかなく負担が大きいので、転職しようか迷っています」と友恵さんは肩を落とす。