ネットワークビジネスで友達をなくすワケ――ハマる女性の心理をコンサルタントが解説
第2回『ネットワークビジネスにハマる女の心理』
「ラクに稼げる」「自分自身で人生を切り開いていける」そんなキラキラした正論をタテに、私たちに近づいてくる「ネットワークビジネス」。金銭面だけでなく、人間関係にも大きなリスクを抱えてしまう可能性があるのに、なぜ彼女たちはハマってしまうのでしょうか? 女子が関わると危険なビジネス第2弾は、「ネットワークビジネス」について切り込んでみました。
■「今の仲間のためなら、昔の友達はどうでもいいんでしょうか?」
懐かしい友達から急に「会いたい」と連絡が来た。普通ならうれしいことだけど、反射的に宗教かマルチの勧誘かな……と、疑わしい気持ちになることはありませんか? アパレル販売員の小倉真美さん(仮名・30歳)は、旧友からネットワークビジネスに勧誘された経験があるといいます。
「高校時代の友人だったB美から、Facebookを通じて、『会いたい』とメッセージが来たんです。あまり親しくなかったので、その時点で怪しいとは思ったのですが、変な好奇心が働いて、とりあえず会ってみることにしました」
当日、カフェで合流すると、案の定、某有名ネットワークビジネスの勧誘が始まります。「自由な時間とお金が手に入る、素晴らしいビジネスがある」などと魅力的な言葉を並べて、しきりに真美さんを誘ってきたそうです。
「特に興味がないと言っても、食い下がってくるんです。『今のままの人生でいいの?』とか『そんな少ない給料で、将来心配じゃない?』とか。よく考えたら、結構失礼ですよね(笑)」
話を聞くうちに、B美さんが、ビジネスのために仲間が住んでいる地域にわざわざ引っ越しをしたこと、そこで毎晩仲間たちとミーティングしていることを知ります。
「B美は『仲間がいて楽しい。だから頑張れる』と、誇らしげに言っていました。でも、私の周りには、B美に騙し討ちのような形でビジネスの交流会に参加させられた子もいるんです。いまの仲間を持ち上げるのはいいけど、昔からの友達の気持ちはどうでもいいんですかね……」
真美さんはビジネスの誘いを頑として断り続け、その日は解散。その後、B美さんからパーティーや交流会の誘いがあったものの、それもすべて断ると、いつの間にか連絡は途絶えたといいます。
「同級生の間でB美のウワサが広まってからは、誰も連絡を取らなくなっていました。たまに『今どうしてるんだろうね』なんて話が出ます。まだビジネスをしているかもしれませんが、それも謎です」
何かと嫌われがちなネットワークビジネス。なぜこうも敬遠されてしまうのでしょうか? それなのに、ハマってしまう女子が多いのはどうして? ネットワークビジネスに詳しい、ビジネスコンサルタントの能登丈暁さんに話を聞きました。