万引きGメンに捕まって“失禁”――店長も呆れ果てた「タワマン専業主婦」が盗んだモノ
先日は、台風の中、東京の湾岸地域にあるショッピングモールで体格のいい専業主婦を捕捉しました。カゴを持たずに怯えた様子で、しきりと後方を振り返りながら、店内を徘徊する彼女を追尾した結果、自分のトートバッグに商品を隠すところを現認したのです。被害品は、ブランド物のハムやベーコン、ウインナーなどでした。
「あの、お客さま。なんで声をかけられたか、おわかりですよね?」
気が小さいのか、店の外に出るまで執拗に後ろを振り返り続けた彼女は、私に声をかけられると目を見開いて、体を震わせました。風雨がひどく、返事を待っているだけでも大変な状況なので、彼女の手を引いて店内に引き戻します。
「おわかりですよね? 事務所まで、ご一緒いただけますか?」
「はい、ごめんなさい。わかりましたから、先にトイレに行かせてください」
先述した樋田容疑者も「トイレに行かせろ」などと、逃走の機会を窺うような発言を繰り返していたそうですが、こうした要求に我々保安員が応えることはありません。盗んだ商品を特定して、身分確認を済ませ、警察官に引き渡すまでは我慢してもらうのがセオリーなのです。もちろん逃走や証拠隠滅をさせないためというのが大きな理由ですが、過去にトイレで手首を切って自殺を図った被疑者もいたので、あらゆる事故を防止するためというべきかもしれません。堪えきれなかったのか、嫌がらせなのかはわかりませんが、もう我慢ならないと、事務所で大きい方をしてみせたホームレス男性もおりました。しかもそれは、固形ではなく液状化している方。そのニオイも強烈で、思わず事務所から逃げ出しましたが、なぜか店員さんと2人で後始末する羽目になり、半ベソをかきながら掃除したことを思い出します。
「申し訳ないけど、ちょっとだけ我慢していただけませんか?」
「あの、我慢とかじゃなくて、出ちゃったんです……」
「あらー……」
俯く彼女と同じ方向に目線をやると、彼女のパンツには雨で濡れたのとは違う大きなシミが、内股から膝にかけてまで広がっていました。それでも、盗んだ商品と身分確認を終えてからでないと、なにをされるかわかりません。否応なく事務所に連れて行くと、わずかな距離を歩いただけで息切れしてしまった彼女は、事務所に入るなり断ることなく目の前の丸椅子に腰を下ろしてしまいました。
「ちょっと、あなた。座ったら椅子が汚れちゃうじゃないですか」
「ごめんなさい。私、若年性更年期障害で疲れやすいもんですから、つい……」