日本では知名度すら低いけど……アメリカで面白いと大ヒットしているドラマ5選
舞台は1980年代、インディアナ州の架空の田舎町ホーキンス。ホーキンス国立研究所付近で、12歳の少年ウィルが忽然と姿を消した。母親でシングルマザーのジョイスは半狂乱になりながら息子を探す。同じくウィルを探す友達のマイク、ダスティン、ルーカスは、エージェントに追われているスキンヘッドの不思議な少女エルに遭遇。彼女をかくまい、交流するうちに、ウィル失踪事件の裏には恐ろしい政府の極秘実験が絡んでいることを知る。ジョイスも身の毛もよだつような超自然現象を目の当たりにし、みなで“裏側の世界”に引きずり込まれたウィルを助けようと奮闘する。
シーズン2では、少年少女たちが大活躍し、“裏側の世界”のモンスター相手に大奮闘。エル(イレブン)の過去も判明し、ホーキンス国立研究所付近の恐ろしい実態も明らかになる。
動画配信サイト大手「Netflix」の看板ドラマで、近年流行の80年代が舞台であること、名作映画『グーニーズ』(85)、『スタンド・バイ・ミー』(86)のように少年たちが主人公で「大人には内緒の危険な、ある意味わくわくする冒険」のようなストーリー展開であること、ほかにも「政府の陰謀」「不思議なパワーを持つ美少女」「不気味な生物との戦い」など、視聴者を惹きつける要素がそろっている。子役たちの演技力は大人顔負けで、シーズンを追うごとに彼らのギャラは大幅にアップ。また、中年になったウィノナ・ライダーがジョイス役を演じたが、我が子を探す必死の形相がホラーだと話題騒然となった。万引騒動で業界から干されていたウィノナだが、この迫真の演技で見事復活した。
■『リバーデイル』(2017年1月~)
素朴で平和を絵に描いたような町リバーデイルの川のほとりで、高校のアメフト部のキャプテン、ジェイソンが遺体となって発見された。ジェイソンは双子の妹シェリルと川に出かけ、行方不明になっていたのだ。額には銃弾で撃たれた痕があり、同じ高校に通うアーチーやベティたちは、その死の真相を突き止めようと独自に調査を始める。すると、これまで表に出てこなかった、町の人たちの秘密や闇が浮き彫りになり、平凡だと思っていた町が実は恐ろしい町なのだと知る。
ジェイソンと同じアメフト部で活躍し、女子にモテモテで、音楽の才能もあるアーチー。彼はこの殺人事件がきっかけで、夢、恋愛、大人との関係や人を信用することなど、いろいろなことを考えるようになる。シーズン2では、さらに恐ろしい事件が起こり、リバーデイルは恐怖の町と化していく。
本作品の原作は、1940年代から出版されている国民的アメコミ『アーチー』。原作は、中流階級が多く住む町・リバーデイルに住む高校生たちの恋愛、友情をカラフルに明るく、コミカルに描いたものだ。町の名前も登場人物の名前も同じだが、ドラマはコミックとは正反対で、どれもこれもダーク。『ゴシップガール』などを放送してきた米CW局で放送されているからか、若者受けが良いように、アメコミでは描かれていない性的描写の多い青春恋愛ドラマに仕上がっている。原作をよく知るアメリカ人には斬新に感じられ、爆発的なヒットとなった。
メインキャラクターは、ジャグヘッド役とナレーションを務めるコール・スプラウス以外、知名度が低い役者ばかりだが、誰もがはまり役となっており、このドラマがきっかけでブレイクした。コールとベティ役のリリ・ラインハルトは実生活でも熱愛中で、そちらでも注目されている。また、『ビバリーヒルズ高校/青春白書』のディラン役で知られるルーク・ペリーら、中年世代にもなじみのある役者も出演しており、ファンを喜ばせている。