自撮り&加工のし過ぎで整形依存に……。「スナップチャット症候群」をDr.高須が斬る!
【第71回】「高須幹弥センセイ、スナップチャット症候群の人はどんな顔を好むんですか?」
SNSにはかわいく撮れた自分をアップしたい……そんな思いから、何十枚も自撮りしたり、加工アプリで修正したりして、“とびきりかわいい自分”を演出する女性は少なくない。しかし中には、「実際の顔とギャップがあり過ぎる」と悩んで整形に走ってしまう、「スナップチャット症候群」と呼ばれる人も。高須クリニック名古屋院院長の高須幹弥先生、先生のところにも「加工した顔のようになりたい!」と来られる患者さんはいますか?
■加工顔は平面だからかわいい
加工された自分の写真を持参して「この顔になりたい」とか、「誰がいつ撮影してもかわいく写れる顔になりたい」との理由で整形に来られる患者さんは、10代後半から20代前半くらいの女性に多いですね。SNSがブームになったころから急に増えた印象があります。そのような患者さんの多くは、大きな目やシャープな輪郭、高くて小鼻の幅が狭い鼻など、加工写真によくある特徴を希望されます。
でも、加工アプリは、ただ顔で遊んでいるだけで、平面だからかわいく見えるのであって、あのままリアルに再現したらすごく不自然になってしまいます。それに、そもそも写真は一瞬の表情をとらえたものだから、どんな美人でもブサイクに撮れることがあるんですよ。逆に、上手に写れば、実際よりかわいく見せることもできるもの。例えば笑顔は、誰でも目が細くなって、小鼻が少し横に広がって、頬が持ち上がってぷっくりとするのですが、それがイヤなら、顎を引いて、口角や頬の上がり具合を意識して、目をグッと開いて写るようにすればいい。顔の余白が多い人なら斜めの角度から撮影するとか、自撮りなら、顎を引いて上の位置から撮影するなど、工夫次第でかわいく写ることができるんです。
芸能人の写真がどれもかわいいのは、かわいく写るための練習を重ねてきた努力の結果だし、オフショットのような自撮りであっても、何枚も撮影して一番よく撮れている1枚をアップしているからにすぎません。みなさんもかわいく写真に写りたいなら、まず練習をするべきで、「いつ写真を撮ってもかわいく写るために整形する」というのは、おろかでピント外れな考え方だと思います。
そのため、僕のところへ来る患者さんにはこれらのことを説明して、写真とは切り離して、その人の顔に合った自然な整形を勧めるようにしています。誰でも欠点はあるので、そこを整形で補ってかわいい顔に近づけることはできますからね。