アジアン・隅田美保、テレビ復帰――「女芸人のブスいじり」は絶対的な悪なのか?
2015年頃からテレビから遠ざかっていたアジアン・隅田美保の姿を、最近よく目にするようになった。テレビ出演を中止していた理由は、バラエティ番組での「ブスいじり」にあったという。同年7月発売の「フラッシュ」(光文社)の取材に、隅田は、「今年40歳。私は前から結婚の意識が強く、真面目に婚活したかった。ふだんから『ブス、ブス』と言われるのがホンマに嫌で。バラエティ番組でみんなにいじられるせいで、婚期を逃している」と心境を吐露した。
この発言は、ネット上で瞬く間に話題となり、「女芸人のブスいじりは是か非か」と議論を巻き起こした。“ブスいじり容認派”が「芸人なんだから、おいしいって思えばいいのに」と声を上げると、“ブスいじり否定派”が「容姿をいじられても笑えない」「『ブスは笑ってもいい』という風潮が高まる」と反論するなど、当時はさまざまなメディアでもこの問題が取り上げられていた。
そんな中、当事者である隅田は、昨年の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)を機にテレビ復帰を果たし、今年に入って、徐々にバラエティ番組への露出を増やしているが、再び“ブスいじり”をされるように。今月1日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で、隅田は「こんなとんでもない“ブスのドン”が帰ってくるなんて!」といじられ、スタジオは大爆笑に包まれていた。他バラエティでも、同様のいじりが散見され、「ブスいじりの是非」論争が、なかったことのようになっている。
果たして、女芸人のブスいじり問題は、今後どうなるのか? 元吉本芸人で、“コミュニケーション学”や“笑い”に関する研究をしている桜美林大学講師・瀬沼文彰氏に取材を行い、容姿いじりが生まれた背景や、変化しつつある女芸人の笑いの取り方についても、あわせて話を聞いた。