元衆院議員・金子恵美氏、夫・宮崎謙介氏の“ゲス不倫”を蒸し返し続ける「賢い戦略」
抜け穴だらけの宮崎氏に比べ、金子氏は冷静である。同番組で金子氏が語ったところによると、初めての出産をした日の夜、夫から不倫を打ち明けられたという。マスコミが大騒ぎすることが予想されても夫を責めず、後援会から「離婚をしないのなら、選挙の応援はできない」と離婚を要求されても拒否し、「宮崎を政治の世界に戻したい」と言ったという。この番組だけで判断するのなら、ダメ夫とそれを支える賢い美人妻に見えるだろう。
そんな金子氏が翌9月2日放送の『サンデー・ジャポン』に出演した時のこと。同番組レギュラーの西川史子は、金子氏に離婚を勧めているらしく、「別れなさい、別れなさいと言ってるんだけど」「何の魅力もないオトコに、どうして付き添っているのかわからない」と話していた。
元国会議員といえば、同番組には杉村太蔵氏が出演しており、西川は杉村氏と親しいことを公言しているが、確かに宮崎氏は、彼のように、清掃員バイトから外資の証券マンとなり、国会議員となるような派手な武勇伝を持っていない。
しかし、今の時代、宮崎氏のような「何にもない」タイプの方が、国民ウケするのではないだろうか。女性問題で失敗した宮崎氏だが、「妻とは離婚するから」といって女性を騙すとか、暴力や権力を使って関係を持つということはしていない。東大出のキャリア官僚といったガチガチのエリートでもないだけに、一般人にとっては親しみやすい。美人妻に応援されていること、男性の育児問題に熱心であることも、いい影響を与えるはずだ。
政界復帰のためにはテレビをうまく味方につける必要があるが、このような宮崎氏の特徴は「完璧を嫌う」というテレビの時流にもうまく合っている。テレビ露出が増えれば、選挙対策には重要な「知名度アップ」にもつながるのではないか。
政治の世界を描いた遠藤周作の『ファーストレディ』(新潮文庫)では、「政治家は選挙に落ちたら、ただの人以下」という文が繰り返されている。この文章通りに解釈すると、宮崎氏と金子氏の夫妻は、今、ただの人以下。見栄も外聞もかまっていられる時期ではないのだ。だからこそ、プライドを捨てて、昔の話を蒸し返して、バラエティに出ているのではないだろうか。次の選挙はもう始まっているのかもしれない。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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