「モンペ認定」恐れて悩み続ける母も……「ママ友コミュニティ」問題に園が介入できないワケ
その一方で、同じ保育園ながら、「保護者会には絶対参加」という空気の園もあるという。「子どもの能力を生かす幼稚園」として、メディアにたまに取り上げられることがある園に息子を通わせていた林さん(仮名)。当時を振り返ると、「保護者会をはじめとする親同士の付き合いに疲れた」という。
「息子を通わせていた園は、『住みたいまちランキング』などにも登場するような人気地域にある園。送迎バスなどなく、どの駅からも遠いため、自家用車で登園する園児が多かったですね。事前に見学に行ったとき、外車やレクサスというような高級車率が多いなあとは思っていたのですが、入園してみると、学費以外の出費が多くて大変でした」
事前説明では、「保護者会は出席を取らず自由参加」ということだったが、理由なき欠席は許されず、ほぼ出席しなければならない雰囲気だった。
「ママたちの雰囲気は、ブランド物バッグを見せびらかすような華美ではなかったため、“お金持ちが多い”イメージではなかったんです。でも入園してみると、地元の資産家や、夫の仕事が弁護士や公務員など安定した職の人が多く、時間とお金に余裕がある人が多かったんです」
彼女は、「ネットなどで見かけた幼稚園の口コミ評価サイトでは、内情はわからなかった」という。
「園への寄付金はもちろん、園が応援しているスポーツチームの応援団への加入や、バザーへの無償での商品の提供、OBやOGの吹奏楽団のコンサート鑑賞など……ファミレスに割引クーポンを使うような我が家にとっては、出費が多くて大変でした。保育園側に言おうにも、子どものことではないので、取り合えってもらえなかったでしょうし、本当に悩みのタネでしたね。たとえママ友から白い目で見られたとしても、付き合いを辞めればよかったと今になって思います」
子どもが毎日通う場所であり、時には卒園後も小学校、中学校と続く付き合いになるケースもあるため、普段の人付き合い以上に気を使うという、幼稚園/保育園のママ友コミュニティ。園側が介入しにくい面があるだけに、今後もその人間関係に翻弄されるママは、後を絶たないのかもしれない。
(池守りぜね)