「モンペ認定」恐れて悩み続ける母も……「ママ友コミュニティ」問題に園が介入できないワケ
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
ママにとって、子どもを持つことによる大きな変化の1つと言えば「ママ友付き合い」をしなければいけないことだろう。それまでのキャリアも、年齢も関係なく、子どもが同じ園に通っているから発生する避けられない人間関係。今回は、保護者会や入園説明会というようなママになって直面する新たな問題について、当事者の声を取り上げる。
保育園とは違い、専業主婦や扶養内のパートなど、ワーママではないママたちが主流の幼稚園。保活ほど表立ったメディアでの話題はないが、人気の園に入園させるには、入園度の前年度から情報収集や行事参加などが必須と言える。何度も顔を合わせているうちに、自然と入園前の段階で、ママ同士のコミュニティも生まれたりするようだ。
創立90年を迎える歴史ある幼稚園に4歳になる女児を通わせている綾香さん(仮名)は、入園説明会を振り返ってこう語る。
「幼稚園の入園説明会が、始まるのがだいたい9月から10月の時期です。ママ向けの掲示板などで、『入園説明会にはどのような服を着ていけばいいのですか?』というスレッドが立つくらい、ママたちにとって服装問題はシビアなんです。知り合いのママさんは、普段は明るめの茶髪で目立つようなファッションなのに、子どもの幼稚園の説明会や面接の時期だけは、髪を黒髪に戻し、幼稚園用のスーツを新調したと言っていました」
なぜこのような親側の服装まで、厳しく見られるようになったのであろうか。対幼稚園というよりも、ママ友同士のためという声も聞かれる。
「保育園は待機児童問題がよく取りただされますが、芸能人が通うようなセレブ幼稚園ではなくても、人気の園は募集人数が少ないために激戦なんです。人気の園では、『プレ』と呼ばれる2歳児入園がそのまま年少クラスに持ち上がるため、年少から入園するのは本当に大変。少しでも園側に悪い印象を与えたくないと、ファッションに気を使うママが増えたと思います。ただ、それ以上にママ友同士の間で浮きたくないというのが大きい。子どもを2歳児入園させたママたちのコミュニティに入っていくことになるので、その輪にうまく入れるよう、身に着けるものにも慎重になってしまいます」