サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「ar」がモテメイクにみぽりん提唱 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」9月号 「80年代のミポリン」の唇を猛プッシュ!! 読者を置いてけぼりにする「ar」流モテメイクの奇跡 2018/08/30 16:00 女性誌レビュー 「ar」2018年9月号(主婦と生活社) ビューティ&ファッション誌「ar」(主婦と生活社)9月号は、引退間近の安室奈美恵が表紙を飾っています。ミニスカートに萌え袖でポーズを取り、同誌のメイン読者層である20代にも見えてしまう年齢不詳な笑顔を見せているのは、さすがです。巻頭でも8ページにわたって特集が。インタビューは、「ar」お得意の極小&うっす~い色の文字で印刷されています。きっとラストにふさわしいステキなことをお話されていると思いますので、内容は各自、虫眼鏡を用意する、老眼鏡をかける、拡大コピーをするなどしてご確認いただければと思います。では早速、そのほかの中身を見ていきましょう! <トピックス> ◎女が漏れ漏れ ひとりモテ女のマル秘パーツ(ハート) ◎目標があればできる! お金の貯め方 ◎エライザはまだ帰りたくない 夏の終わりの黄昏デート 「女が漏れ漏れ」な? “ar語”が冴えわたる 同誌といえば、「おフェロ」や「雌ガール」などの“ar語”を生み出してきました。女性性への愛しさと煩わしさ、失われゆく若さへのよるべなさ、自己陶酔感、まぶしさ、そして何とも言えぬ恥ずかしさ……。これらが複雑に混じったものが、“ar語”を目にした瞬間に胸に広がります。そのセンスにはいつも感動させられるのですが、今回のメイク企画「女が漏れ漏れ ひとりモテ女のマル秘パーツ(ハート)」でも、arの言語感覚は冴えまくっています。 「おフェロメイク」の生みの親であるヘアメイクアップアーティスト・イガリシノブが、今号では「ひとりモテ女」になれるというメイクを紹介しています。 「ひとりモテ女」とは、「大好きで大好きで超大好きなオンリーワンの彼を夢中にさせ続けちゃう女の子」のことで、かつ、「『ずっと彼のNo.1でいたいわ(ハート)』っていう謙虚でハッピーなココロモチ」だそうです。「心持ち」をわざわざカタカナで書いた理由まではわからないのですが、要約すれば「大勢にモテなくてもいいから、好きな男の子ひとりにモテたい女の子」というところでしょうか。 ところが、「ひとりモテ女メイク」は「女が漏れ漏れ」になるとのこと。女が漏れ漏れになったら、1人だけにモテて終わるわけはないと思うのです。どうやら、「ひとりにモテたいだけなのに、大勢にモテて困っちゃう私」というのが、「ar」が目指す本当のところなのかもしれません。 そのメイク方法を説明する文章がまた素晴らしい。リップについては、「ひとことで言うと、まぶい!!!(笑) 唇で目指すべきは、そーゆー女の子。80年代のミポリンみたいに、上唇が大きめで、下はちっちゃめバランスがお手本なの。(中略)ちゅるんとみずみずしさあふれる粘膜っぽい仕上がりが、半端ないって!」。80年代のミポリンの唇って、「ar」読者には思い浮かべにくいと思うのですが、それを勢いで押し切っています。 さらにチークの紹介では、「おフェロ代表でもある赤チークは、ひとりモテ女におアプデするなら+パープルをリコメン!」と呪文のようなキャプションが。「おアプデ」とは、文脈から察するに、「アップデート」を縮め、丁寧に頭に「お」まで付けた言葉のようです。書かれているチークの塗り方をすれば、「近付いたらキラキラキララ~~って繊細な光が攻めてくるの。まぶしい、この愛のきもちーーー!! みたいな感じ」になるとか。チークひとつでそんな素敵な幻覚が見られるのなら、この世界から麻薬中毒者はいなくなるでしょう。 次のページ 突然の「日経ウーマン」感 12次のページ Amazon ar 2018年 09月号 関連記事 「ar」夏のSEXY特集が、「中身のない自己啓発書」にしか見えないワケおフェロ顔の次は「うさぎFACE」!? 自己陶酔ポエムが垂れ流される「ar」メイク術四つん這いで、にんじんをくわえる吉岡里帆は「計算じゃない」! 疑問だらけの「ar」モテ指南「Gina」、「ar」路線に一直線? 飛び交う「おフェロ、母性、色気」ワードに胸騒ぎ「本能に従え」と説く「ar」のモテ特集、「男はやっぱりコンサバが好き」と矛盾した方向に……