サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー吉沢亮、演じ分けない芝居の強み 芸能 ドラマレビュー 吉沢亮、『GIVER』『サバイバル・ウエディング』で“演じ分けない”芝居の強み 2018/08/27 21:00 ドラマレビュー男性タレント 柏木王子と川⛵⛵⛵ こんや10時放送の第6話では、川沿いで王子がデートに誘ってくれますよっ‼#吉沢亮#海からの川#今度はキメ顔頂きました#画になるなオイ #銀魂2 の#沖田総悟 じゃなくて#スカイツリー王子 #サバイバルウェディング #サバ婚 #毎週土曜よる10時#第6話は今夜#日テレ pic.twitter.com/zEgWfKvkfE — 【公式】サバイバル・ウェディング (@survivalwedding) 2018年8月18日 今年に入って、吉沢亮の出演作が急増している。映画では、岡崎京子の同名漫画を実写化した『リバーズ・エッジ』を筆頭に、「少年ジャンプ」(集英社)の人気漫画の実写化作品『BLEACH』『銀魂2 掟は破るためにこそある』など多数続いており、10月には主演映画『あのコの、トリコ。』の公開が決定している。さらに、テレビドラマも現在2本の作品に出演中だ。 1本は、日本テレビ系で土曜午後10時から放送されている『サバイバル・ウェディング』。物語は29歳の雑誌編集者・黒木さやか(波瑠)が、寿退社しようとしたところで、突然、婚約破棄を言い渡されるところから始まる。復職を願う黒木は、編集長から、半年以内に結婚できたら復職させると言われ、婚活をテーマにした連載コラム「サバイバル・ウェディング」を担当することに。 そんな黒木の前に仕事を通じて現れるのが、吉沢演じる広告代理店勤務の柏木祐一(27歳)だ。バスの中で眠ってしまった黒木から肩によだれをつけられても、全然気にせず爽やかな笑顔を見せる柏木は、“よだれ王子”と心の中で黒木から呼ばれ、恋心を抱かれる。その後、実は柏木が大企業の社長の息子で、本当に王子だったことが判明。仕事熱心で爽やかだが、少し鈍感な柏木にときめく黒木。しかし自分が年上というのを気にして、なかなかアプローチできない。また、柏木の隣にはいつも“戦略系愛され女子”の栗原美里(奈緒)がいて、柏木のことを狙っている。そんな中、仕事で柏木と打ち解けた黒木は食事に誘い、少しずつ距離を詰めていくが、実は連載コラムに柏木のことを書いているため、それがバレるのではとドキドキしている。 ゆるい作りのラブコメだと軽く見ていたが、コメディエンヌとしての波瑠の好演もあってか、ドラマはどんどん面白くなってきている。完璧な王子様に見えた柏木も、実は親のコネで広告代理店に入ったことを気にしており、“恵まれた生まれ”故のコンプレックスを抱えている。柏木に人間らしい弱さが見え隠れするようになるのに伴い、視聴者の注目も高まっている。 一方、そんな柏木王子の姿を知っている人が見たら衝撃を受けそうなのが、テレビ東京系で金曜深夜に放送されている主演ドラマ『GIVER 復讐の贈与者』だ。1話完結の作品で、毎回、復讐代行組織に所属する義波(吉沢)が依頼人から指定されたターゲットに接触して、復讐を果たすという話になっている。 吉沢が演じる「義波(ぎば)」と呼ばれる男は、生まれつき人間的な感情が欠落しており、淡々とした口調で復讐相手に業務の説明をする姿は背筋が寒くなる。役柄とはいえ、感情を持たず残酷な行為を仕事とする姿を見ると、『サバイバル・ウェディング』で王子と呼ばれる男と同一人物なのかと、不思議に思ってしまう。 役で“演じ分けない”俳優 吉沢は2009年に「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン~あなたの周りのイケてる子~募集」で「Right-on賞」を受賞して芸能界デビュー。11年に『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)で仮面ライダーメテオを演じて注目される。その後、ドラマ『ぶっせん』(TBS系、13年)で初主演を果たした後、多数の映画やドラマに出演しているが、筆者が存在を意識したのは、昨年、FOD(フジテレビ・オン・デマンド)で配信された青春ドラマ『ぼくは麻理のなか』だ。 本作で吉沢が演じたのは小森功という大学生の青年で、田舎から上京してきたが、学校で友達作りに失敗したことで、部屋に引きこもりがちになっている冴えない男だった。そんな小森の唯一の楽しみが、コンビ二で見かける女子高生を尾行することで、ある日小森はその女子高生と人格が入れ替わってしまう。 この作品で見せた野暮ったい青年の印象が強いため、他ドラマで吉沢がイケメンキャラを演じていると、同じ人物かと驚かされる。 吉沢が演じる役柄は、感情のない男だったり、イケメンだったり、冴えない男だったりと、いつも違う。だからといって、極端にキャラクターを演じ分けているわけではないのが、面白いところである。良い意味での“主張の弱さ”があり、あまり芝居がかってなくて、淡々としゃべるため、出てきた時のインパクトは弱いものの、癖がないので違和感がなく、気づいたら見慣れている。 幸運だと思うのは「吉沢亮といえばコレ」というハマり役がないことだろう。イメージが固定されていないため、どんな役も演じられる自由さがある。とはいえ俳優も人気商売。『サバイバル・ウェディング』の柏木王子でのブレークを見ていると、今後は爽やか王子様キャラで突き進みそうな気配だが、できれば今の何でも演じられるポジションは確保してほしいと願う。 (成馬零一) 最終更新:2018/08/27 21:00 Amazon TVガイドdan[ダン]vol.18 (TOKYO NEWS MOOK 704号) いよいよ若手ジャニの俳優仕事がなくなる…… 関連記事 『dele(ディーリー)』、“怪物化”する山田孝之を受容する菅田将暉の反射神経King&Prince・平野紫耀と『花のち晴れ』神楽木晴、2人の姿が重なって見えたワケ『おっさんずラブ』、ドラマ史に残る失恋シーンを演じた吉田鋼太郎の演技力『ブラックペアン』嵐・二宮和也に拍手喝采、イラつかせる“チンピラ演技”の魅力とは志尊淳、『トドメの接吻』『女子的生活』で証明した“実力派若手俳優”の力量 次の記事 Love-tuneにポテンシャルはある? >