“処女性”重視はもう古い? 須藤凜々花、「アイドルが結婚すること」への意識に思うこと
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます
<今回の有名人>
「(ファンは)アイドルの幸せを思って応援しているんじゃないですか?」須藤凜々花
『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系、8月21日)
昭和58年に起きた「ニャンニャン事件」をご存じでしょうか(はい、知らないですね……)。バラエティ番組『欽ちゃんのどこまでやるの!?』(テレビ朝日系)から生まれた、3人組の女性アイドル「わらべ」。3人は萩本欽一の娘という設定で、素朴さを売りにしており、2枚目のシングル「もしも明日が…。」は、発売翌年の年間オリコンチャート1位に輝いている。
3人の中で長女役だったのが、高部知子。早くから女優業に進出し、演技力を評価されていたが、写真週刊誌に「ニャンニャン写真」が掲載される。ベッドの上でシーツにくるまっての喫煙姿は、セックス後の一服を想像させる。彼女は当時未成年で、清純派売りしていたこともあって、世間は大いに驚いていたが、ポイントは、この写真が「ニャンニャン写真」と名付けられたことである。
「ニャンニャン」という言葉から想像するに、編集部が訴えたかったのは、未成年の喫煙ではなく、「清純派みたいな顔してますけど、こんなことしているんですよ」という高部の性生活だったのではないか。高部はこの事件で仕事を全て降板、堀越学園を無期停学に。写真を週刊誌に持ち込んだのは高部の元カレだったというが、この男性が自殺したことで、高部のイメージはますます悪くなり、復帰のタイミングを逃したように記憶している。
芸能界にはいろいろなキャラが必要なので、清純派でないヤンキー系の女性アイドルもいる。しかし、そういったアイドルでも「日頃は強いけど、好きなオトコの前では何も言えなくなる」など、男性にウブであることを強調するケースは少なくない。処女である必要はないものの、オトコの陰がない処女性が求められていると言えるだろう。