「幼稚園の子と差が生まれる!!」保育園の“午睡”取りやめを訴えるのはモンペママなのか?
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
小学校と保育園の大きな違いといえば、“午睡”と呼ばれる昼寝の時間。幼稚園では、降園時間が早いために昼寝時間が設けていない園も多いが、0歳児からの預かりが可能な保育園では、できる限り自宅での育児と同環境にするため、あらかじめ昼寝の時間が設定されている。乳児には十分な休息が必要とされている一方、3歳を過ぎて体力がついてくると、「昼寝をしたために、夜に子どもが寝なくなる」というクレームも多いという。また、保護者の中には、毎週発生するシーツの洗濯が面倒なため、「早く午睡の時間をやめてほしい」という声を上げる者もいるのだ。
認可保育園に4歳になる娘を通わせている洋子さん(仮名)は、こう語る。
「もうすぐ5歳の娘が通う園では、まだ午睡の時間が2時間もあるというのです。うちの子はぐっすり寝てしまうみたいで、家に帰って来てからが元気すぎて困っています。毎晩午後11時近くまで起きているので、こっちが寝不足になっていますよ。娘が言うには、午睡の時に担任から『先生たちは忙しいので、早く寝なさい』と言われているとか。そんなの保育放棄としか思えないです」
一方、小規模の認証保育園で5歳児のクラスを担当している保育士の薫さん(仮名)の意見はどうだろう。
「子どもたちは5歳になると、活発になり寝なくなってくるのですが、3~5歳児まで同じ部屋で育児をしているため、うちの園では午睡の時間はなくさずそのままにしています。眠れない子は、静かにしていれば寝なくてもいいルールなので、本を読んで過ごしてもらっていますね。保護者の方からは、『なくしてほしい』という声がたびたび上がるのですが、保育士は午睡の時間で連絡帳を記入したり、雑務を行うので、なくすというわけにはいかないんです」
保育園の午睡をめぐって保護者が不満を抱くのは、小学校に上がった際の生活に支障をきたす可能性があるという理由もあるようだ。午睡の時間を取らない幼稚園児は、午睡の時間がある保育園児に比べて、小学校に入学した際の生活リズムへの順応が早いと言われている。
保育園によっては、小学校入学前の年長クラスになると徐々に午睡の時間を減らしていき、眠りたい子だけ昼寝の時間を取るような措置を取っているところもあるようだが、保育園児たちにとって、一体何歳まで午睡が必要なのか情報が明確化されていない。それが保育園ママの「幼稚園の子と、小学校入学時に差が生まれてしまう」という不満につながっているのかもしれない。