サイゾーウーマンカルチャー天理教への思いが「冷めた理由」 カルチャー [短期連載]天理教のツマ、「宗教合宿」2泊3日潜入記【第5話】 天理教「潜入」2泊3日、“私”の信心が「急激に冷めたワケ」――理想と“俗世”のはざまで 2018/08/08 21:00 カルチャー宗教天理教のツマ、『宗教合宿』2泊3日潜入記 ついに最終日を迎えた3日目の早朝。わたしはすくっと起き上がり、率先して、手慣れた手つきでおつとめができるようになりました。しかも「ほら、あんたもちゃんとやって」と、子どもに促せるまでに。 黒い法被を羽織り、気持ちを整え、班のみんなに会いにゆくべく、砂利を踏み鳴らします。そう、もうなんか、「班のみんなに会う」という感覚になっていたんですよね。 (前回はこちら) 最終日、心が通じた「つもり」でいたのに 筆者撮影 「あ! おはよう!」 クラスに向かう途中で班の女性たちに会うと、自然と前日の話になります。 わたしがはかなげな女性へ、 「わたしの友達も、姑と折り合いが悪い人、いるんだよね。その子も、勝手に趣味のものとかを捨てられるって言っていて」 と言えば、 「そうなんだ。ほかにもそんな人がいるんだね。昨日、思いきって打ち明けてみて、よかった。だって、こんなふうに、みんなの意見が聞けたから」 と、彼女がほっとした表情を見せます。 なんだろう。このカタルシスは。わたしの存在が役に立ったこの満足感は。 さて、クラスでは最後の取り組みが行われました。配布されていたテキストの空白欄に、班の1人1人がメッセージを書き込む、というもの。要は、「寄せ書き」です。 「どんなことでもいいので、相手に向けた言葉を書いてみましょう」 和田サンが言います。 寄せ書きで気づいた「違和感」 言いようのない高揚感に包まれていたわたしは、1人1人、真摯に、丁寧に、彼らのテキストに言葉を書き込みます。 「あなたはとっても人に好かれる素質を持った方。友達も多いことでしょう。きっと、周りの人もわかってくれるはず」 「あなたのおかげで、班のムードが明るくなりました。ありがとう。きっと家族も、ムードメーカーのあなたのことが、大好きなんでしょうね」 「とっても優しいあなた。周囲のことを考えすぎて、気をもんでいる姿が思い浮かびます。どうぞ、ご自分をいたわって」 さぞ、キモかろう。キモかろうに。たった2~3日で、一体みんなのなにがわかるんだと思うけど、だけどこのときは、みんなに対して、本気でこう思っていた。発言小町の常連相談員並みに、みんなの健やかなる日々をポジティブに願った。だって、世界はこんなにも美しいんですもの――! ふう、と満足気なため息をついていると、みんなが書いてくれたわたしのテキストが、自分の元に戻ってきました。 みんな、わたしのことを想って、どんなふうに書いてくれたんだろう。想像すると、つい顔がニヤけてしまいます。 「みんな、書き終わりましたか。じゃあ、自分のを読んでみましょうか」 和田サンが言ったそばからテキストを開くと……アレ? なにかがおかしい。 「信仰心を大切に」 「きっとあなたにも、おやさまからいいお導きがあるはずです」 「出会ったことのないような方で、刺激になりました。きっと天理教が、あなたをよりよくしてくれると思います」 ……アレ? 次のページ 発言小町は、お呼びでなかった 123次のページ Amazon 21エモン (1) (てんとう虫コミックス) 関連記事 夫の実家は「天理教」!? 結婚5年目、奈良県天理市の「後継者合宿」に子連れ潜入してみたらアイドルや宗教は家族の代わりになるか? 無縁の共同体の可能性――佐々木俊尚×白河桃子対談創価学会員の元タレントが語る、清水富美加「幸福の科学出家騒動」に見る“宗教と芸能界”清水富美加「バカ弟子」、星野源「ありゃりゃりゃ」……幸福の科学“守護霊”の語る言葉創価学会員の元タレントが語る、清水富美加「幸福の科学出家騒動」に見る“宗教と芸能界”