コラム
【連載】庶民派ブランドの落とし穴

H&Mの抱える“3つの地雷”! 「流行遅れ」「安くない」「場末感漂う店内」停滞の理由とは?

2018/08/09 21:30

 今のH&Mの商品を手に取っても、あまり驚きがありません。確かに値段はそこそこに安いのですが、驚くほど安値ではないのです。海外での価格相場感はわからないものの、日本では格安衣料品がほかにもたくさんあるため、H&M程度の価格では「驚くほど低価格」とは思えなくなりました。例えば、ジーユーの投げ売り値下げ品390円/590円/790円の方がよほど衝撃的な価格でしょう。また品質面でも、H&Mの商品は決して高いとはいえず、ユニクロには遠く及びません。個人的にはジーユーにも劣るのではないかと見ていますが、フォーエバー21よりはマシといった印象です。

 以前でしたら、商品のデザインが可愛い、変わっているといった「見た目の良さ」はありましたが、最近では、国内低価格ブランドの方が可愛いデザインの服が多い。しかも、H&Mはこのところの商品はベーシック志向が強まっているようにも見え、ベーシック品ならば、何もH&Mで買う必要もなく、品質の高いユニクロでも十分なのです。

 さらにいえば、店作りも随分と冴えない印象。セール品コーナーは、随分と乱雑に服が積み上げられています。棚の上もぐちゃぐちゃだったり、ハンガーラックにギチギチに商品がかかっていたりして、これでは場末の投げ売り屋とあまり変わりません。それだけ商品が動いていないのかもしれません。こんな店作りでは、消費者も購買意欲をそがれ、売れる物も売れないのではないでしょうか。「売れない→在庫過剰→過剰陳列→だから売れない」という悪循環に陥っているのではないかと感じます。

 好調だった頃の戦略が、一気に通用しなくなるのは、H&Mに限らず、どの企業でもありますが、そうなると“暗いトンネル”を抜け出すのに一苦労します。「新しい必勝パターン」を構築するには大変な労力と資金が必要となるだけに、H&Mがこの危機を乗り越えられるかどうかは、まったくの未知。外野から見守るほかありません。
(南充浩)

最終更新:2018/08/09 21:30
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