朝ドラ「炎上連発」、大河「ゴーストライター告発」NHKドラマ大御所脚本家の醜聞録
NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』を手がける脚本家・北川悦吏子が、ネットを騒がせ続けている。8月1日の放送回で、ヒロインの鈴愛(永野芽郁)の夫に対する「死んでくれ」というセリフに批判が噴出したことを受け、「私も現場も納得してやってることです」とTwitterで反論。これ以前より、北川はTwitterで幾度となく作品について言及しては、ネット上で叩かれてきた。
「『半分、青い。』の内容としての優劣以前に、Twitterにおける北川の発言に問題が多い。例えば、『みんな!オンエアが完璧なものとは思わないで!恐ろしく少人数で(私の実感)、寝る間もなく働き方改革ギリギリのところで、ものすごい物量1日で撮影して、ほぼほぼ、みなさん戦場状態で、屍一歩手前で、仕事してます。やさしく脳内補完を、お願いします』と視聴者に言い訳やお願いをしたり、『あれ、今後のストーリーの伏線にもなって来ます』と展開をネタバレ。『脚本家が作品の背景について、いろいろ話すべきではない』『裏方の人間が悪目立ちしてどうする』という視聴者の声は、日に日に大きくなっています」(ドラマに詳しい関係者)
一方、NHKのもう1つの看板枠「大河ドラマ」はどうだろうか。現在放送されているのはヒットメーカー・中園ミホによる『西郷どん』だが、視聴率は厳しい展開となっている。
「7月29日の第28回は、小栗旬演じる坂本龍馬が本格的に登場。後半に向けて盛り上げていきたい回でしたが、結果は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、4月29日放送の16回と並ぶ最低視聴率を記録しました。この現状に制作側も焦っているのでしょう。話題作りのためか、西郷吉之助(のちの隆盛)を演じる鈴木亮平と、永野芽郁とのツーショット写真を『座長コラボ』と銘打って公式インスタグラムにアップ。しかし、いいね! は1万5000ほど(8月7日現在)と振るっていません」(芸能ライター)
低視聴率の一因は「歴史は苦手」と公言する中園が、複雑に入り混じる幕末の人間関係を描けていないためともいわれている。
「回によって意外と面白い時、そうでない時、また、歴史に踏み込んでいる時と、表面的になぞる時の出来・不出来の差が激しい。また、鈴木演じる吉之助が、まだなにも成し遂げていない段階から、尊大な振る舞いをすることに違和感を訴える視聴者も少なくなく、ネット上には『よくわからないうちに、どんどんしゃべり方も振る舞いも偉そうな感じになっていく』『まだ何の実績もないのに、よくもそんな偉そうな口をきけるなあ』といった声が見られます」(同)
視聴率が危険水域に入った『西郷どん』だが、これまでにも低視聴率で騒がれた大河は少なくない。中でも最悪な運命をたどったのが、1ケタを何度も記録した井上真央主演『花燃ゆ』(2015)だ。途中で脚本家が交代し、総勢4人の女性脚本家が登板するという前代未聞の事態を引き起こしている。
また、平均視聴率24.5%をマークし「幕末大河最高の視聴率」と、もてはやされた宮崎あおい主演『篤姫』(08)も、実は波乱含みだった。当初、この脚本は田渕久美子が手がけたという触れ込みだったが、のちに、その元私設秘書が、話のほとんどを書いていたのは兄の田渕高志であることを告発。つまりゴーストライターが存在したのである。
「元私設秘書の話によれば、田渕は歴史に疎いため、兄が書いた脚本を手直しし、それを兄に戻し、彼が修正、それをまた彼女がチェックしていたそうです。しかし彼女は、兄の仕上がりが毎回遅いため、常にイライラして文句を言っていたといいます」(同)
名実ともに大御所の脚本家ともいえる朝ドラ、大河ドラマに、こうした醜聞が頻発するようになったのはなぜだろうか。
「まずはドラマ界全体の地盤沈下です。そもそも制作側が、手っ取り早く視聴率を稼ぎたいがために、原作モノに飛びつき、オリジナルの物語を書ける脚本家を育てていないのです」(前出・関係者)
さらに、話数の減少もシナリオライターの質の低下に拍車をかけているという。
「以前の連ドラは、ほぼ全12話で展開されていました。しかし、今はせいぜい10話で、9話のものもある。つまり、それだけ執筆能力が衰えているのです。そんな環境で育った書き手が、約50話もある大河ドラマや、150話もある朝ドラを書き切れるでしょうか」(同)
朝ドラは放送57年、大河も55年。脚本家のギャラは受信料から支払われているだけに、その責任は重大だ。視聴者に「やさしく脳内補完を」お願いして、自分たちだけ満足するのは間違いではないだろうか。
(村上春虎)