コラム
【連載】庶民派ブランドの落とし穴
GU(ジーユー)が抱える3つの地雷! 「ガウチョパンツ100万本ヒット」以降、停滞するワケ
2018/07/21 18:00
ジーユーは中長期的に売上高1兆円を目標として掲げました。しかし、今の「トレンド対応」路線を取っていると、国内市場はそろそろ飽和点に達しようとしているといえ、伸び率の鈍化はそれを表していると見ています。仮にさらに伸びたとしても売上高3000億円が頂点なのではないかと個人的には感じている次第です。
先ほども書いたように、単独で売上高2000億円を超えるブランドは日本でも数えるほどしかありません。そして売上高が大きくなればなるほど、売上高を伸ばすことは苦しくなります。メディアはよく「〇〇%増」という数字だけで好調不調を判断しますが、それが常に正しいとは限りません。例えば、極端なことをいうと、売上高1億円のブランドが20%売上高を伸ばしたとしたら2000万円伸ばしたということになります。新店を1店舗出せば2000万円くらいはすぐに売上高が上がります。
一方、2000億円のブランドが10%、20%売上高を伸ばすことはかなり難しくなります。なぜなら10%で200億円、20%で400億円です。こんな巨額の売上高がたった1年で作れるはずもありませんし、400億円と言ったら、TOMORROWLAND(トゥモローランド)と同じくらいの売上高です。
1兆円を達成するには海外進出が不可欠ですが、国内トレンド密着型のジーユーがどこまで海外で受け入れられるのか未知数。消費者を飽きさせないようどんな戦略を取るのか、今後も見ていきたいと思います。
(南充浩)
最終更新:2018/07/21 18:00