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ドラマレビュー

King&Prince・平野紫耀と『花のち晴れ』神楽木晴、2人の姿が重なって見えたワケ

2018/07/20 13:21

 『花のち晴れ~花男Next Season~』は、2000年代に大ヒットしたコメディティストの恋愛ドラマ『花より男子』(TBS系)の続編だ。

 物語の舞台は主要メンバーが卒業してから10年後の英徳学園。主人公の江戸川音(杉咲花)は、裕福な家庭の生まれだったが学園入学前に父の会社が倒産し、今は母親とアパートで2人暮らし。元の優雅な暮らしに戻る唯一の方法は、許嫁の馳天馬(中川大志)と結婚することで、その条件である「英徳学園に在籍すること」を満たすべく、貧乏暮らしを隠してセレブ学校に通っていた。

 ある日、音は学園を牛耳るC5(コレクトファイブ)のリーダー、神楽木晴(King&Prince・平野紫耀)と知り合う。「庶民狩り」という、学園の中に紛れ込んだ一般人を退学に追い込む行為の首謀者・神楽木に警戒する音だったが、2人はいつしか惹かれ合うように。

 ドラマは、前作で描かれた庶民の娘と御曹司の息子による恋愛物語をなぞるように、庶民として暮らす音と神楽木グループの御曹司・神楽木晴の、喧嘩しながらも惹かれ合っていく姿を描いていく。そこに音の許嫁の馳天馬と、神楽木に一目惚れして積極的にアプローチするカリスマモデル・メグリンこと西留めぐみ(飯豊まりえ)が絡む、恋愛群像劇だ。

 興味深いのは、彼・彼女たちの恋愛の背景に、家や学校の伝統を守らなければならないという苦悩がある点だ。音が許嫁の天馬と結婚したいのは江戸川家を立て直すためで、神楽木がメグリンとの交際をC5メンバーから急かされるのは、彼女が英徳学園に転入すれば、入学希望者が殺到して学園に栄華が戻るからだ。自由な生活を送っているようで、神楽木たちを取り囲む環境はシビアに見える。

 そのせいか、没落貴族の悲哀みたいなものも感じられる。かつて学園を牛耳っていたF4の道明寺司(嵐・松本潤)に神楽木があこがれているという設定もあってか、過去の栄光に縛られている二世の苦しさが裏テーマとして際立っていたように思う。さらに、そんな神楽木の姿と、神楽木を演じる平野の姿がどこか重なって見えた。

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