King&Princeデビューは「小手先の戦略」!? 企業コンサルタントが「崩壊するジャニーズ」に助言
――いかに新しさを取り入れるかが重要なのでしょうか。
大関 やはり先取りをするから、大きなヒットが生まれると思います。SMAPはその典型例。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の番組構成は、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)と同じだと聞いたことがあります。アイドルに、芸人と同じことをやらせてみるというのは、当時かなり新しかったと思います。「タブーを極力を失くす」という方針で生まれたのがSMAPだったわけです。今まさに、その考え方がジャニーズ事務所に必要なことなのではないでしょうか。
――今では逆に、「アイドルに何でもかんでもやらせすぎている」といった声も出ています。嵐・櫻井翔が、報道番組『NEWS ZERO』でキャスターを務めたり、NEWS・手越祐也や関ジャニ∞・村上信五がワールドカップでキー局のメインキャスターを務めるなど、ジャニーズの息がかかっていない分野はないのではないかと思うほどです。
大関 これは私の思いつきですが、野球選手の大谷翔平くんのように、“本気の二刀流”を目指すというのはどうでしょうか。これまでも打撃のいい投手はいましたが、大谷くんは、投手と打者を本格的に両立する二刀流として人気を博しています。同じように、アイドルだけでなく、もう1つの分野でもプロになる……という。例えば、櫻井さんも、キャスター業に真正面から向き合っているとは思いますが、どこまで本気かはわからない。というのも、彼は『NEWS ZERO』内ではコメンテーター的な役割も担っていますが、ほかのメディアから、政治問題や事件に関してコメントを求められることはありません。本業はアイドル、バイトとしてニュース番組に出ているような感じなんです。そうではなく、アイドルとコメンテーター、どちらも本業にするというのが、新しいスタイルになり得るかもしれません。まぁ、これはあくまで私の思いつきでしかありませんが、新しいアイドル像を築くやり方は、たくさんあると思いますよ。
――ジュリー氏は、今まで以上に現状を厳しく受け止めた方がいいのかもしれませんね。
大関 どれくらい危機感を持ってやっていらっしゃるか。独裁的ではなく、みんなで一緒に考えて作っていく、これが今一番大切なことなのではないかと思いますね。
取材協力:大関暁夫(おおぜき・あけお)
All About「組織マネジメント」ガイド。東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。