『陸海空 地球征服するなんて』、打ち切り間近!? 突発ピークの悲劇と2つの失敗とは
『陸海空 地球征服するなんて』(テレビ朝日系)をめぐり、不穏なうわさが広がっている。まさかの「打ち切り説」が噴出しているというのだ。“ナスD”こと友寄隆英ディレクターの活躍で昨年10月、深夜帯から半年でプライムタイムに進出した人気番組にいったい何があったのだろうか?
「6月9日オンエアは視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、同23日は7.2%と、この時代の数字にしては健闘しているといえるでしょう。しかし、この時間帯は、1日の中でもHUT(総世帯視聴率)がそもそも高い時間なのです。つまりは、どんなにつまらない番組でも、7%は最低限取れる枠なんです。そんな中、打ち切り説がささやかれるということは、いま以上の数字が獲れる可能性があるのかどうかが、ジャッジされているからでしょう」(業界関係者)
実は、その「打ち切り」フラグが早くも立っているという。番組改変のシーズンでもないのに、6月16日と30日の2回もレギュラー放送を休止し、まったく別の特番を組み込んでいたのだ。
「16日は『弁護士といっしょです』というドキュメントバラエティが放送されていました。これは、LINEの乗っ取り犯や、『激安贅沢コピー品売ります』といったスパムLINEを送りつけてくる業者を、弁護士と一緒に追い詰める硬派なプログラム。さらに30日は、火曜深夜にオンエアされている情報バラエティ『ソノサキ』がスペシャル版として登場しました」(芸能ライター)
この2番組の放送は、いわば「パイロット版的」なものだったのかもしれない。その結果、『ソノサキ』は7.2%を取り、『陸海空』の“替えが利く”ことが判明した。
もともとは、人気番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)を意識して作られたという『陸海空』。当初は『イッテQ』越えも期待される勢いを持っていたが、それがくじかれたのはなぜなのか? 理由は2つあると放送作家は分析する。
「番組の型がまだ定まらないうちに、ナスDに人気が集まったことが、そもそもの悲劇です。“突風”とも言えるムーブメントにより、“彼メイン”の企画に頼らざるを得なくなった。ただ、彼のピークはプライムに昇格する前後に迎えてしまった。なのに、ほかのコンテンツは定着しないままで、つまり番組としてのバランスを失っていたのです。一方、『イッテQ』は同じような“番組内スター”としてイモトアヤコが誕生しましたが、彼女以外のロケ企画も十分強いので、イモト頼みにはならなかった」
さらに番組全体の作り方にも遠因があるという。
「『イッテQ』は、もし企画が成立しなくてもそれを編集、自虐的にネタ化し、無理やりでも“撮れ高”を増やしています。しかし、『陸海空』はナスDやバイきんぐ・西村瑞樹らが持つキャラクターインパクトに依存せず、一応きちんとしたコンテンツを届けようとする。そんなスタンスですからボツになったロケ映像はたくさんあるでしょう」(同)
いずれにしても、もはやナスDの登場をオンエア前から今か今かと待っていた「あの頃」の高揚感はもう戻ってこないのだろうか。打ち切りに関しても続報が気になるところだ。
(村上春虎)