サイゾーウーマンコラムルポ「別れた夫にわが子を会わせる?」一目惚れしたのは“モラハラ男”だった コラム 【連載】別れた夫にわが子を会わせる? くまのプーさんみたいな彼に一目惚れ! 実は“モラハラ男”で出産後、シェルターへ避難 2018/06/27 15:00 DV別れた夫にわが子を会わせる? 『わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしを送り、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――? 第17回 寺田倫子さん(仮名・29歳)の話(前編) 「彼が『会いたい』って言ってくれれば、全然会わせます。娘は父親のことはすごく好きで、彼が抱っこしてる写真とか動画を見せるとすごく喜ぶんです。『パパ、大好き。パパに会いたいなー』みたいなことを気軽に言うんです」 家事代行業の寺田倫子さんは話す。DVシェルターに逃げた後、現在は近畿地方にある母子生活支援施設(母子施設)で暮らしている。夫のDVが理由で逃げたはずなのに、なぜ彼女は娘を会わせたいと話すのか? ■知人夫婦の紹介で出会った彼は、思いっきりタイプで一目惚れ ――まず、寺田さんご自身は、どのような家に育ったのでしょうか? 会社員の父と料理家の母、その3人兄妹の三番目(次女)として、兵庫県に生まれました。だけど私が9歳のとき両親は離婚しました。原因は父親のギャンブルです。普段は優しい人なんですが、お札を見ると人が変わっちゃうんです。会社のお金に手をつけて競馬場に向かってしまうらしくて。何回も仕事を辞めさせられ、その都度、刑務所に入りました。 ――それは、さすがに離婚しますよね。 その後、母が再婚しました。自給自足生活を求めて、一家で瀬戸内海の離島に移住することになりました。私が14歳のときです。新しい父はろくに働かない。しかも毎日1時間以上は正座させられて説教されました。そういう環境に6年耐えたんですが、我慢の限界でした。20歳のとき、1人で神戸に引っ越したんです。そして飲食の仕事などをしていました。 ――旦那さんとは、いつ知り合ったんですか? 神戸に住み始めて3年後だから、今から6年前です。知人夫婦に「めっちゃ落ち込んでる人がおるんやけど、一緒に飲みに行かへんか?」って言われたのがきっかけ。5歳年上の、カー用品会社の営業。出会いにはまったく期待せず、軽い気持ちで飲みに行きました。目の前に現れた彼は、物腰が柔かな、くまのプーさんみたいな、背のちっちゃい、チビデブ。思いっきりタイプだったんで、私、一目惚れしてしまいました。 ――どんなことを話したんですか? 彼、奥さんに子どもを連れて出て行かれたってことで、沈んでいました。「子どもたちと離れたんは、ごっつい悲しい。そやけど会うてもしゃあない。向こうにも生活があるやろうから」と言って、浴びるように酒を飲んでいました。 ――連絡先の交換はしましたか? 私が「携帯電話の番号を教えてくれへん?」と言うと「教えられる状況ちゃうねん」って断られました。それで私、彼の携帯を奪って「あんたの携帯に、うちの連絡先入れとくから」って言って、携帯番号を彼の携帯に登録して返しました。その後、私の携帯から彼の携帯に電話をかけて、ワン切りしました。そこまでやった上で翌日、メールしたら、ちゃんと返事が来ました。それからまたすぐに会って、お付き合いを始めました。 ――見た目が好みだったこと以外に、彼のどこが良かったんですか? “おなかを抱えて笑っていたい”ということを、私、人生の一番大切な要素にしてるんです。その点、彼は最高です。今まで会ってきた男性の中で一番、笑いのセンスがありましたから。会話ひとつとっても笑いを取ろうとしましたし、笑いのツボが一緒。漫才とかコントとかの番組を見て、一緒に笑ってくれたりもしました。 次のページ 同棲を始めてから、彼がモラハラ野郎と判明 123次のページ Amazon わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち 関連記事 2人の息子を連れ去った夫を略取誘拐罪で刑事告訴! その後、子どもを取り戻して離婚相思相愛だったはずの夫との仲を義母に引き裂かれ、2人の息子を連れ去られた「俺は利用された」ナルシストの元夫は子どもへの愛情がなく、親子の縁は切れてしまった妊娠中にエリート夫の浮気現場に遭遇! 警察の前で「DV妻」呼ばわりされ……「父親は早く死んだらいい」ゴミ屋敷で3年間の家庭内別居の末、離婚した女性の壮絶体験