谷亮子、プロ野球選手の妻が似合わないワケ――夫との馴れ初めVTRに見る「主役」という自意識
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の有名人>
「言おうか、『キャンセルして』って」谷亮子
『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』(TBS系、6月20日)
女性は、結婚すると「妻」と呼ばれるようになる。どんな妻になるかは人それぞれだが、「こうあるべきもの」とイメージを喚起しやすい妻業もある。その1つが、プロ野球選手の妻だろう。夫を野球に専念させるために、家庭のことは全て妻が背負い、徹底した栄養管理をするほか、夫が不調の時にはメンタルトレーナーの代わりにもなる……そんな“支えるオンナ”の王道である。元ヤクルトスワローズの名捕手・古田敦也と結婚した元フジテレビアナウンサー・中井美穂は、結婚後も仕事をやめず、料理下手を公言し、「姑がキャリアウーマンだったから、彼は自分のことは自分でできる」と語っていたが、やはり“尽くさない妻”の世間ウケはよくなかったようだ。
支える女の博覧会ともいえる『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』(TBS系)が6月20日に放送された。夫の年棒が高かろうが安かろうが、夫の活躍に全てを賭ける妻たち。同番組には、元プロ野球選手・谷佳知元の妻である、元参議院議員で柔道家の谷亮子も出演していた。結婚披露宴で「夫を支える妻になりたい」と語っていた谷だが、谷に支える妻は似合わないというのが、番組を見た私の感想だ。支える妻らしいことをしていないという意味ではない。プロ野球選手の妻は、こうしてドキュメント番組にもなるくらいだから、“めったに表に出ないが、まれに姿を見せたときに存在感を醸しだすこと”が求められると思うのだが、谷はそういう“裏方”がまるっきり合わないのである。
裏方が不向きであることは、夫との初めての食事会にもよく表れていたように思う。この食事会を知人が動画撮影していたそうで、同番組で公開されたのだが、映像内で谷は、全身白の服に身を包み、「1カ月前から、この食事会を楽しみにしてきた」などと、夫に好意があることを伝えている。写真撮影の後は夫にボディータッチするなど、2000年当時の赤文字系雑誌に書かれていた合コン必勝テク満載である。