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薬物依存者の「見た目激変」は嘘八百!? 医師が「薬物タレントの外見変化」真相を明かす
2018/06/06 16:00
芸能界やスポーツ界など、著名人の薬物逮捕者が出ると、世間が特に注目するのが、その“外見”ではないだろうか。
薬物依存になると、外見が変化する――そんな昔からある薬物のイメージを、さらに世間に強く印象付けたのが、2010年、神奈川県横浜市中区にて、コカインをポリ袋に入れて所持していたことが発覚し、現行犯逮捕された田代まさしだろう。ニュース番組で盛んに報じられた田代は、激やせして頬がげっそりとこけ、目元がくぼみ、頭髪も薄くなって、顔色も悪いといった容貌で、多くの人々が、「薬物のせいでボロボロになった」「薬物は怖すぎる」「『それとも人間やめますか?』って本当なんだ」などと驚きの声を上げたのだ。
このように、薬物逮捕された著名人の外見は、薬物の恐ろしさを世間へ視覚的にダイレクトに伝えるものとなっているが、その一方で、見た目がまったく変わらない人物もいる。例えば、09年に覚せい剤取締法違反(使用、所持)で起訴された酒井法子は逮捕時、「以前と見た目が違う」といったことはなく、現在では「怪物級の美魔女」として、アラフィフらしからぬ若々しいルックスを称賛されているのだ。
薬物で見た目が激変する人と、まったく変わらない人がいるのはなぜなのか? その疑問を解決すべく、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部部長の松本俊彦先生に取材を行うと、開口一番「薬物で見た目が変わるというのは、あまりあてになりません」と、話を始めてくれた。