果物は「果糖で太る」「朝食べるのがいい」はウソ!? 管理栄養士が「果物の食べ方」に喝!
糖質制限ダイエットのブームをきっかけに、多くの人が意識し始めた“糖質”。食事に含まれる糖質で血糖値が急激に上がると、血中の余分な糖が脂肪として蓄えられてしまうため、糖質の摂取量を控えて血糖値の上昇を抑えるべき……そんな考えの元、米やパンなどを省いた食生活を送る人も少なくない。しかし、管理栄養士で臨床栄養実践協会の理事長でもある足立香代子先生は、「血糖値の上昇を抑える食べ方ができれば、糖質を制限する必要はない」ときっぱり。そこで、足立先生が登壇される「栄養のプロが実践 糖質を味方につける『果物のズルい食べ方』」の講演に足を運んだ。
糖質は制限すればいいものではない
糖質制限を行っている人の多くは、“糖質”と名の付くもの全てを敬遠する向きがあるものの、足立先生は「糖質には種類があります。全ての糖質をカットするのではなく、“質”で判断することが大切です」という。
一般的に“糖質”と呼ばれるものには、糖の最小単位である単糖類の「ぶどう糖」や「果糖」、この2つがつながった二糖類の「砂糖(しょ糖)」など、成り立ちも異なるいくつもの種類があるとのこと。それぞれ血糖値への影響も異なる上、食品によって含まれる糖質の構成もさまざまなので、血糖値の上がりにくい種類の糖質を選べば、制限することなく食事を楽しめるそうだ。
「糖質全てが悪いように言われますが、それは誤解。意識すべきは、食後の血糖値の上昇率です。食後過血糖とされる140㎎/dLを越えると、太りやすいのはもちろん、糖尿病や認知症の発症、心血管疾患による死亡リスクも高まるので、“血糖値の上昇が低い糖質”を選びましょう」と足立先生は忠告する。
そのようなリスクがあるなら、やはり全ての糖質をカットした方が楽ではないかと思ってしまうが、「生涯において何かを制限することは良くないし、そもそも誰もが続けられることではありません。糖質制限を行った人の多くが、1年ほど後にストレスなどからリバウンドを起こし、結果的に制限していない人と変わらない数値に戻ったというデータもあります。『糖質制限は長期の効果が見込めない』という論文も出ているんですよ」と、足立先生。そのため、糖質を制限せずに血糖値を急上昇させない上手な食べ方を推奨しているという。