「有村架純に似せるメイク」を披露、姉・有村藍里に見る“ブス”に悩んでしまう女の特徴
5月16日放送の『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)は、「おブス女子の愚痴」として、タレント・有村藍里、SKE48・須田亜香里らが出演し、おブスであることによる苦しみを訴えた。カネが取れる外見だからこそ芸能人になれたので、彼女たちがブスであるはずがない。しかし、美人やブスというのは、結局は隣にいる人との比較なので、容姿レベルの高い集団に行くほど、劣等感を持ちやすくなる側面はあるだろう。
しかしながら、やっぱり考え方が偏っているというか、拡大解釈もしくは被害妄想の気配も感じられるのである。同番組で須田は、洋服の試着を頼んだら、店員にドン引きされたことを「ブスだから」と説明していた。司会のくりぃむしちゅー・有田哲平、フリーアナウンサー・高橋真麻はそれぞれ「被害妄想強すぎ」「店員は、売り上げを上げることしか考えていないから、ブサイクだろうが、ブサイクでなかろうが関係ない」と須田の解釈が偏っていることを指摘していたが、私が興味深かったのは、須田の「SNSに載せたら見る人も多いのに、そんな扱いしていいんですか?」という発言だった。須田は、“自分は現役アイドルで影響力もある存在なので、一般人の何倍もいい接客を受けられるはず”と思っているのだろう。しかし、それがかなえられないのは“ブスだからだ”と関連付けたのではないだろうか。相手に対する要求が高すぎると、それがかなわなかったときに傷つき、その理由を探す。そして結果として、解釈を自分都合でねじ曲げ、被害妄想的になってしまう気がするのだ。
また、女優・有村架純の姉である藍里も、思考回路に偏りを感じる。藍里は「架純に似るから」という理由で、鼻の下に縦線を入れるメイクをしているという。藍里は「遺伝子的にも、妹が私の中での可愛いの最上級。なれそうな位置」と妹に似せる理由を説明していたが、芸能界に“有村架純”は2人もいらないことを考えると、その行為に意味があるとは思えない。芸能界にはいろいろなタイプの美人が必要なのに、藍里は「美人とは有村架純のこと」と決めつけていないだろうか。彼女は、脳内に架純を棲まわせ、その架空の架純によって苦しめられているように感じられるのだ。有田は藍里を「普通に可愛いよ」と褒めていたが、藍里自身は、「架純より可愛い」と言われたい、架純に勝ちたいと、常に思っているような気がしてならない。
同番組では、人気占い師のしいたけがゲストにアドバイスをするのが恒例で、藍里に「30歳からは逆転現象が起きる」といった具合に、“いい話”をしていた。しかし、それに対する藍里の感想は「さっきから、モニターが気になって」「ブスすぎる」。病的に悩む素振りを見せつつも、人の話を全然聞かないのも、ブスに悩んでる女性あるあるの1つだろう。それはさておき、バラエティという妹のいない世界でせっかくつかんだチャンス。ぜひ藍里には頑張ってほしい。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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