ナンパセミナーの恐るべき実態――酩酊女性に乱暴容疑事件、「ナンパ塾」代表が怒りの訴え!!
また、事件を受け、“ナンパ”自体のイメージが悪くなることも、草加氏は危惧しているという。ナンパを取り扱うセミナーや講習会、塾には3種類あると言い、一口にナンパといっても、その内容はまったくの別物だそうだ。
「1つめは、今回の事件の容疑者が受講していた、レイプまがいの内容を教えるところです。こういったセミナーの目的は、性欲を満たすこと。男性は喜ぶけれど女性は喜ばないという特徴があるんです。2つめは、我々『ナンパ塾』のような、婚活のためのツールになるコミュニケーション術、また自信をつける方法を教えるところです。女性が喜ぶから男性も喜ぶという考えの元、『女性を喜ばせろ、そうでなければ、男性も楽しくない』と受講生に伝えています。合コンで、女性陣が不機嫌になってしまったら、男性もつまらないのは当然ですよね。そして3つめは、先の2つとは少し違うのですが、詐欺同然の情報商材を売り、たまにセミナーを開催していることもある……というところです」
レイプまがいの内容を教えるナンパセミナーと、婚活にも生かせる内容を教える「ナンパ塾」――その内容の違いは歴然で、受講者層も異なるそう。ナンパ塾の受講生は年齢層が高め、高学歴で医師や大手企業に勤めている人も多い一方で、「悪質なナンパセミナーの受講生は、年齢層が低く、高学歴の方が多いといった特徴もありません」と草加氏は指摘する。
「『ナンパ塾』には、例えば、気になる女性に声をかけたいのだがどうしていいかわからない、結婚パーティーに行っても全然ダメだった、という悩みを抱えている男性が、“自分を変えたい”“殻を破りたい”という思いを持ってやって来ます。性欲を満たしたい男性が来る場所ではない。そもそも性欲を満たしたいのであれば、風俗に行けよという話です」
最後に草加氏は、女性に対してぜひ伝えたいと、悪質なナンパ師の特徴を教えてくれた。
「彼らは、酒を異様に飲ませたがるという特徴があります。事件の報道では、女性に多量のウォッカを飲ませて昏睡状態にさせたといわれていますが、最初は別の飲み物を勧め、途中からウォッカに移ったのではないかと思います。徐々に強いお酒に切り替えるというやり口なんですよ。というか、ナンパ関係なく、一緒に飲んでいてとにかく酒を飲ませよう飲ませようとする男性には気をつけた方がいいと思います」
女性側が自衛せずとも、危険な目に遭わない世の中になってほしいと願わずにはいられないが、今回の逮捕を受け、悪質ナンパセミナーの撲滅が進むことを信じたい。
草加大介(そうか・だいすけ)
1998年に日本で初めてナンパを指導するセミナー「ナンパ塾」、また99年に日本で初めて婚活を指導するセミナー「結婚対策塾」を開業。2003年には、「結婚対策塾」を「恋愛駆け引き、口説き塾」と名称を変更し、より幅広い受講者が集うようになる。08年、男女共通講座「恋愛塾」もスタート。『「ナンパ塾」究極デートマニュアル』『新・「ナンパ塾」完全極秘マニュアル 最新最強の口説き術』(ともに河出書房新社)、『強烈に惚れさせる方法: 斜陽の季節の恋愛論』(ベストブック)など著書多数。