大河ドラマ『西郷どん』に「なんで?」噴出! 中園ミホ脚本は「飛躍しすぎ」「関係が雑」?
NHKの大河ドラマ『西郷どん』の視聴率が苦戦している。
「1月7日放送の初回15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下、同)の滑り出しから、14~15%をキープしていたものの、4月に入ってからは下降線をたどり、29日にはついに11.1%とワーストを記録。5月6日放送は12.0%まで数字を戻したものの、依然として低調です」(芸能ライター)
放送から3カ月経過してからの視聴率低下。4月スタートの民放ドラマに視聴者の意識が流れている可能性も考えられるが、それよりも「雑すぎる脚本」を低迷の要因としてを指摘するのは、さる芸能関係者だ。
「鈴木亮平演じる西郷吉之助(のちの隆盛)が、下級武士からどうやって成り上がったのか? その部分の掘り下げが、とにかく浅いのです。17話目(5月6日放送)で、瑛太演じる大久保正助(のちの大久保利通)が吉之助に対し、『おはんは薩摩のために、日本国のために生きねばならん男じゃ』と言っていましたが、この時点では、吉之助は何も成し遂げていないただの恰幅のいい男にすぎないため、SNS上で『日本のために、なぜ西郷が必要?』『なんでそこまで西郷を買ってるの?』『話が飛躍しすぎ』など総攻撃を浴びていました」
また、同話で描かれた、吉之助と僧・月照(尾上菊之助)のシーンにも「なぜ?」の声が噴出している。幕府に追われた2人は、錦江湾に抱き合って入水するが、SNS上は「なんで月照さんと死ななきゃいけないの?」「いつの間に、月照と西郷が共に入水するほどの深い関係になったの?」などと、唐突な展開に戸惑っている様子だ。
こうした「?」の嵐に加え、お茶の間からは「人物の描写が粗い。丁寧に書くようにしてほしい」「人物の立場、気持ちがサッパリわからない」「役者の演技はいいのに、人物の内面が出てきてない」「関係性を重要視していない」という指摘も上がっている。こうした物語の“粗さ”は、やはり脚本家の力量によるのだろうか。
「脚本の中園ミホが、歴史知識に乏しいことも理由として考えられます。彼女自身、今年初頭にアップされた『スポニチアネックス』のインタビューで『歴史に強くない』と明言していることからもわかります。ドラマの前半は、登場人物がそこまで多くなかったため、史実を飛び越え、空想の余地がいくらでもありましたが、人物が増えるにつれ、次第にその余白もなくなってきたのでしょう。今や日本史の年表を、そのままなぞって演じる『再現ドラマ』の様相になってきました」(同)
中園は先のインタビュー内で、「歴史好きな人はもちろんですが、歴史を知らない人にこそ見てほしいなと思います」と語っていた。しかし、歴史を知らない人にこそ、背景にある思想や政局をきちんと描いて見せなければ、物語の流れは理解してもらえないだろう。とはいえ、従来の大河ドラマの重厚さに抵抗感を持っていた層には、こうしたストーリーの軽さが大きなアピールポイントにもなる。
これから物語は、吉之助の島流しを経て、長州藩、会津藩とさらに人間関係が複雑に入り乱れていく。『やまとなでしこ』(フジテレビ系)『花子とアン』(NHK)さらには『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)と、月9、朝ドラ、そしてテレ朝の大ヒットシリーズを手がけてきたヒットメーカー・中園は、果たして大河ドラマでもその名声を保つことができるのだろうか?
(村上春虎)