ひとり親家庭が多い時代、保育園での「父の日」「母の日」制作はどうする?
2カ月前までベビーシッターの求人を出していたのですが、そっちの方が「すごいの」が来ますね。業種柄「英語が堪能な人 優遇」と書いていたのですが、英語が堪能というキーワードは“地雷”率が高く、英語が話せて学歴も高いが手首にタトゥーがあったり(保護者には敬遠されます)、面接が良かったので、どこまで仕事ができるか確認したくて保育補助に入ってもらったら、英語で子どもに話しかけて子どもが困惑したり、1カ月だけの超短期バイトだったり、そんな人ばっかりです。
英語とは別に、最近は定年後に民間資格の「認定ベビーシッター資格」を取って活躍されているシニアの方たちとの出会いも多いです。「お子様の有無」「旦那様やお子様に夕食を作らないといけないか?」(勤務時間に関係があるので)という質問を、面接の際に必ず行うのですが、「夫ではありませんが、パートナーはいます」「パートナーの免疫が弱いので、病児保育は避けたいです」と言うシニアの方が記憶に新しいですね。ちなみに前夫とはかなり前に離婚し、子どももすでに30代だそう。第二の人生を謳歌しているようでした。女性は強いですね。
離婚で関係するのは、この時期の制作です。すばり「母の日」「父の日」のこと。毎年この時期、保育士から「シングルのご家庭はありますか?」と質問があります。経営する両園には、世の中の流れ同様、ひとり親家庭が数人いるのですが、園の配慮(そんなのいらないと思う人もいるかもしれませんが)として、「母の日」制作しか行わないことにしています。もし父子家庭がいる年度だったら、母の日制作も父の日制作もナシ。子どもの日制作だけにしようと思っています。離婚してからも、お父さんと定期的に会っている子もいれば、大人になるまで会わない子もいます。なので、一律決めています。ちなみに娘の通う小学校では、「両親どちらかでもいいし、お父さんだけでもいいので」的な言い方で、「お父さんありがとう」制作を持って帰ってきたことがありました。入学前は家族面接のためにがんばっていても、私立小に入学しちゃえば離婚する家庭もちらほら見かけます(笑)。
角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に認可外保育園「駒沢の森こども園」、16年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」、17年4月に認可外保育園「衾の森こども園」をオープンさせる。家庭では10歳の愛娘の子育てに奮闘中。