ダイソーコスメは「安かろう悪かろう」!? 自主回収騒動の背景を専門家が指摘
では、白髪染めに有害物質のホルムアルデヒドが検出された件はどうだろうか? こちらは濃度によっては粘膜への刺激作用があり、その蒸気は呼吸器系、目、のどなどの炎症を引き起こすという。また、発がん性があると警告されており、ひどい場合は死に至る可能性もある危険な成分だ。
「ホルムアルデヒドといえば、“シックハウス症候群(建材や塗料に含まれるホルムアルデヒドを日々微量ずつ吸入することで徐々に健康被害を起こす症状)”で話題になったことを覚えている方も多いかもしれませんね。接着剤、塗料、防腐剤などの成分で、安価なため建材に広く用いられています。ただ、濃度によっては危ないので、化粧品の類いに使うことは国の基準で認められていません」とA氏。
今回検出されたホルムアルデヒドは微量だということで、まだ健康被害は報告されていないようだが、ダイソーは以前にも「マニキュアから規格外のホルムアルデヒドが検出される」という前科がある。やはり「100均コスメは危険なの?」という疑念は、正直拭えないところだ。
しかし、海外では、日本と違ってホルムアルデヒドの配合を許可している国も存在することから、輸入品である白髪染めは、海外基準のホルムアルデヒド含有量だった可能性も否定できないだろう。ダイソーからは、その詳しい量は発表されていないが、そうなると100均コスメだから危険なのではなく、安全なものを使いたいと思った場合は、むしろ「それは輸入品なのか?」「日本の水準に沿ったものなのか?」に着目した方がいいのかもしれない。
A氏はこの件について、「安いから入る、高いから入らない、ということではない。ただ、(コストを抑えなければいけない)100均コスメは多くを輸入品に頼っているようなので、結果として“日本の基準を満たしてないもの”が紛れ込む可能性は否定できない。高級コスメにも同様に輸入品はありますが、値段が高い分、こういった管理は徹底して行っているという面はあります」とのこと。
確かにコスパは最強で、全国どこにでもある100均ショップは魅力的だ。しかし、自分の肌に触れたり、体内へ取り入れるものについては、今一度慎重になってみるのもいいかもしれない。
(ヨコシマリンコ)