愛沢えみりは「身長164cm、体重39kg」……キャバ嬢のダイエット事情と「人間離れした細さ」の価値
ではなぜ、キャバ嬢たちは、そこまでして細さを求めるのだろうか?
「周りのキャバ嬢が細いから……というのが大きな理由ではないでしょうか。細い方が目立つし、完璧を目指したいという気持ちが皆、人一倍強いと思います。あと毎日ドレスを着るので、そのために体重をキープしていますね。キャバドレスはストレッチ素材のものが少なく、かなり細身の作りになっています。有名キャバ嬢がモデルを勤めるドレスサイトを見ると、そのサイズ感は一目瞭然です」(同)
キャバ嬢自身だけでなく、店側も細さを重要視しており、「歌舞伎町の有名キャバクラでは、“デブは採用不可”が当たり前」なのだという。
「もし、入店後に太ったりすると黒服から注意されることもあります。『SNSにほかのキャバ嬢との写真を載せる時、自分だけ太っているのが嫌だから』『ホストクラブでほかの客に負けたくないから』……など理由はさまざまだと思いますが、やはり周りの目が気になるのだと思います」(同)
しかし一方で、世間からは「痩せすぎているキャバ嬢は魅力的でない」という指摘があるのも事実。それについて彼女たちはどう思っているのだろうか?
「確かに、世間からは『痩せすぎ』といわれますが、歌舞伎町や六本木に来るお客さんは、圧倒的に細いキャストを好みますね。『一緒に歩いていて目立つから』というのが大きな理由ではないでしょうか。そもそも、ぽっちゃり好きなお客さんってキャバクラにはあまり来ないような気がします(笑)。私は以前、銀座のクラブにいたのですが、ホステスはお客さんとの同伴で接待ゴルフに行くので、皆健康的でしたね。お客さんもそこまで細いホステスを求めていなかったこともあり、六本木のお店に移って、病的に細いキャバ嬢を見てビックリしました(笑)。キャバ嬢たちは世間の声よりも、“同業の声”を気にしているのだと思います」(Mさん・六本木勤務)
日本人女性の平均体重が50㎏といわれているが、キャバクラ嬢の体重は40㎏前後が当たり前だという。「人間離れした細さ」こそ、キャバクラ嬢の生きる世界で求める完璧な美しさなのかもしれない。
カワノアユミ
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。編著書に『旅の賢人たちがつくったアジア旅行最強ナビ』(辰巳出版)など。アジアのキャバクラに9カ月間潜入した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)発売中。