“ジャニヲタリカちゃん”なぜ生まれた? 制作者が語る、「ジャニファン」の特異性
――逆に、ジャニヲタリカちゃんを作るにあたって、「これはやめておこう」と気をつけているポイントはありますか?
みづき 自分の中では、盛り髪みたいな“どうにもならないルール違反の人”を再現するのだけはやめようと思っています。うちわを4連で持ってるのって、外で写真撮影をしている程度なら、“なんとかなる”ルール違反なので、良いとも悪いとも言わずに作ることはあると思うんですけど。ヒールが高い靴も、「気をつけてね」とは思いながら、会場内で脱げば最悪、OKなラインかなと。
――盛り髪をリカちゃんで再現して、「これがジャニヲタ」というイメージを持たれてしまうのも、残念ですよね。
みづき 10代の子がやることって想像がつかないので。たまに、引用リツイートとか、リプライを送ってくれる子もいるんですが、「私もやってる! おそろい!」「私たちがマジョリティです!」ぐらいのニュアンスで共感してくれるんです。スゴくうれしいけど、私としては結構、スレスレで作ったリカちゃんなんですよ。ギリギリのラインを再現したつもりだけどな~と。可能な限り、変なリプライがついたり、炎上はしたくないので、明確なルール違反のジャニヲタについては取り上げないようにしています。
――たくさんあって絞れないかとは思うんですが、中でもお気に入りのリカちゃんっていますか?
みづき お気に入り……。うーん、選ぶのは難しいですが、金テを持ってる子は気に入ってますね。小物として好きなので。
――「番協なのでめったに履かない長ズボンを履き、応援練習の成果を収録で披露するヲタ」も、面白かったです。
みづき あれは、母親と実家で『少クラ』を見ていた時に、「この人たちって、ズボンしかはいちゃいけないルールなの?」と聞かれて、そう言われれば! と思いつきました。微妙にダサい感じの服装ですよね。手持ちのリカちゃんの服だと、もう少し可愛くできるんですけど、「こういう場に来るジャニヲタって、洋服よりもジャニーズにお金かけちゃう人だよな」と思って再現するものもあります。ただ、ジャニヲタリカちゃんを撮影するにあたって、自分で衣装を作るってことはほとんどないんですよ。自分でリカちゃんの洋服を作ると、メルヘンになっちゃうんで。
――ズバリ、ジャニヲタは好きですか?
みづき ジャニヲタ、愛おしいな~と思います。それだけの情熱を注いで応援するって、スゴいです。例えば、AKBは握手会という公式に認められたコミュニケーションの場がある。でも、ジャニーズアイドルに自分を認知してもらう方法は明確じゃないですよね。公式じゃないからこそ、ジャニーズは「○○くんとつなげます」みたいなTwitterアカウントまであるじゃないですか。フワフワしてるけど、具体的な疑似恋愛をしてるところが新鮮に映っています。ジャニーズの場合、プライベートに入っていくのが“タブー”みたいな雰囲気ですし。抑制されているのが、かえってタレントへのあこがれを生むのかな? とか、ジャニーズやジャニヲタについて考察するのは楽しいですね。