アソコの毛は「全剃り」すべき? ドイツ語講師のフリードリヒと初デートで起きた“障壁”
デート当日、私にはひとつの悩みが。それは「Hな雰囲気になった時、“あそこの毛”はどうしておくべきか」。当時の私は外専女子になりたて、外国人のシモ知識も少なく、知っているのは、なんとなくあちらの女性はあそこの毛がないらしい、ということくらい。
思い切って全剃りなんてしたら、待ってましたと言わんばかりだし、こなれている感満載じゃないか。
結果、「スーパーナチュラル」(※脱毛用語で「ほぼ全残し」)で行くことに。彼は覚えたての日本語で友達や常連さんに「ワタシハベルリンデ、ウレマシター!」と言い放ち、「生まれましただよね、売られてないよね」などとツッコまれ皆で笑ったりと、とても楽しいらしく、無邪気な彼に私はうっとり。
そんなうっとりで“スーパーナチュラル”な私と彼は……あっさり新宿駅でお別れ。
拍子抜けしましたが、「誠実なのね!」と、ますます彼を好きになった私。それからも何度か飲みの誘いがあり、これはもう告白してもOKだろう、と決めたのでした。
バーのカウンターで肩を並べていい感じ(私だけ)になった頃、私は覚えたてのドイツ語で「私はあなたに、ダーリンになってほしい」と告白。彼は一瞬止まって、「アワワワワ」とうろたえ、ハーっとため息をつき、私にこう言いました。「君はかわいいし面白いし、一緒にいてとても楽しい、けど」
けど!?
……凍りつく私に一言
「トモダチフォーエバー(原文ママ)」
さらに彼は、「ところで君のドイツ語ちょっと間違ってる」と、私のガタガタなドイツ語のミスまで指摘してくれたのでした……。
期待で胸がパンパンだっただけに、大ショック。いまだにどうやってうちに帰ったのか覚えていません。
今考えると、ヘタに男女関係にならず、“トモダチ”として大事にしてくれていたんだな、と彼の誠実さをひしひしと感じます。今となっては……。
外専女子をやっていて、唯一の良い思い出です。
ちなみに「フリードリヒ先生、実はゲイ疑惑」がいまだ私の心に渦巻いています。
(隔週火曜日・次回は4月24日更新)
<著者プロフィール>
音咲椿(おとさき・つばき)
男性向けグラビア誌編集長を経て、ポット出版社刊「女の子×女の子のためのエロチックブック・Carmilla」にてイラスト・漫画家デビュー。
単行本「イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。」(ぶんか社刊)好評発売・配信中。テレビ出演多数。