米グルーポン、黒人差別表現を堂々と載せて大炎上! 「要するにみんなアホ」と全米があきれ気味
ニガーという単語は、ラテン語で黒人を意味する「ニグロ」が語源で、黒人が奴隷だった時代に軽蔑的に使われるようになったため、今日では「タブー語」となっている。黒人同士が使う分にはまったく問題なく、逆に絆を確かめ合う、良い単語としてとらえられる。しかし、黒人以外の人種が使うことは厳禁。アバズレという意味の「ビッチ」を、イケイケな女性同士で呼び合うのはかまわないが、男性が使うと「侮辱された!」と大騒ぎされるのと一緒だ。この手のタブーな単語は多く存在するが、アメリカでは「ニガー」以上に屈辱的な単語はないとされている。
実は昨年7月、スーパーマーケットチェーン最大手ウォルマートのオンライン販売サイトでも、ウィッグの下につけるウィッグ・キャップの色を「ニガー・ブラウン」と表示し、大炎上していた。この時、問題になったページを制作したのも下請け会社だったが、「きちんとチェックしなかったウォルマートに弁解の余地はない」と大バッシングが巻き起こった。
同じく昨年、スキンケア製品を幅広く扱うダヴも、黒人女性が茶色のTシャツを脱ぐと、クリーム色のTシャツを着た白人女性が出てくるシーンがあるCMを秋に放送し、大炎上している。ダヴは11年にも、黒人女性の肌をダヴの商品で洗うと薄い色になるという印象を与える広告を出して炎上した。
アメリカでは1875年に、きれいな服を着た白人の子どもが汚れた服を着た黒人の子どもに「なんで君のママはフェアリー・ソープで君を洗ってくれないの?」と問いかける広告を出してからというもの、黒人の肌の色をネタにしたスキンケア広告が多く制作されてきた悪しき歴史がある。それゆえ昨年のダヴの広告に「いつまでスキンケア業界は人種差別をするんだ」と黒人は大激怒。ダヴ製品の不買運動も巻き起こった。
こんなに人種差別撲滅デモが行われているのに、いつまでたってもなくならない人種差別広告に「炎上マーケティングなのか」「もう怒る気にもなれない」と、あきれ返る声が続出している。
今回のグルーポンの「ニガー・ブラウン」炎上事件に、ネット上では「差別狩りしてるみたいで怖い」「何かと黒人優先社会になりつつあるこの国にうんざりだ」という意見も噴出している。「自分は白人だけど、クラッカー・ホワイトって表示されても別に怒らないけど」と、黒人の過剰反応を指摘する意見もある。なお、これには、「クラッカーは金持ちの白人が白人貧困層を指して呼んでいたスラングに由来する差別用語だから、ニガーよりも屈辱的ではない」と反論されていた。
「TMZ」のコメント欄には900近い意見が書き込まれており、「結局、アメリカから人種差別はなくならないってことでしょ。ある程度は慣れるしかない。差別を受けているのは黒人だけじゃない。白人にだってクラッカー、ホワイト・トラッシュ、レッドネックとか差別用語がある。ラテン系もアジア系も差別されてるじゃん」「うちの子どもは白人だけど、黒人同士が呼び合っているのを聞いてニガーという言葉を知った。使ってほしくなければ、黒人同士で使うのもやめてほしい」と収拾がつかないほどヒートアップしている。
度重なるこうした企業の失態に、「要するに、みんなアホだって話でしょ」「アホ相手にカッカしてても時間の無駄」とげんなりしている人も多いが、この「ニガー・ブラウン」問題、まだまだ炎上が続いている。クーポン好きなアメリカ人によるグルーポン叩きは、当分続きそうだ。