『セックス・アンド・ザ・シティ』のミランダ、ニューヨーク州知事選に立候補するも「不適任」呼ばわり
複数の主要メディアはシンシアの出馬を好意的に報じ、今年9月に開催される民主党の予備選では、クオモ知事の強敵になるだろうと報道している。『SATC』の共演者たちも続々とエールを送り、シャーロット役のクリスティン・デイヴィスは「シンシアを誇りに思う。誰もが平等にチャンスを与えられること、良い教育を得ることを彼女ほど強く願っている人はいない。きっと素晴らしい州知事になるわ」とツイート。スタンフォード役のウィリー・ガーソンはインスタグラムで「みんなでシンシアを応援しよう」と呼びかけ、スティーヴ役を演じたデビッド・エイゲンバーグもTwitterで「彼女以上に理論的な人物はいない」と大絶賛。サマンサ役のキム・キャトラルも「きっと素晴らしい知事になる」と応援ツイートを投稿している。
キムは昨年、『SATC』映画版第3弾への出演はないと明かし「主要キャストたちとは友達ではない。ただの同僚」と発言していた。「そんな発言するなんて傷つく」「(キムが演じる)サマンサ抜きで第3弾制作もあるかも」などと語ったサラ・ジェシカ・パーカーを敵視し、キムの兄が亡くなったときにサラが追悼メッセージを送った時も「あんたの愛やサポートなんて必要ないから」とでかでかとインスタグラムにディスメッセージを貼り付けるなど、2人の関係は修復不可能なまでに悪化してしまった。結果、「『SATC』=仲が良いのはうわべだけ」という印象が持たれるように。
しかし今回シンシアが出馬を表明し、キムを含めたキャストたちが続々とエールを送ったため、再びファンたちは「『SATC』の絆、最強!」ムードになっている。
シンシアのこれまでの活動は、公教育やLGBTQ、男女平等に関するものだけではない。「中絶する権利を求める活動」「反トランプ活動」「クオモ知事と敵対関係にあるニューヨーク市長ビル・デブラシオの支援活動」と、政治に関係する活動も行っているのだ。だがもちろん、彼女の出馬に批判的な人もいる。
13年のニューヨーク市長選に出馬し、「当選したら女性初&レズビアンを公表している初のニューヨーク市長になる」と大きな話題になった元ニューヨーク市議会議長のクリスティン・クインは、シンシアを「不適格なレズビアン(Unqualified Lesbian)」とディスしている。彼女は当時の市長選で、シンシアがクリスティンではなくビルを支援したのをいまだに根に持っており、米大手紙「ニューヨーク・ポスト」の取材に対して「私は政治家としての経験もある“適任なレズビアン”だったのに、彼女は支持してくれなかった。政治経験のない“不適格なレズビアン”である彼女が、州知事選に出馬するとはね。私は彼女を応援しない」と、語ったのだ。
そして多くのニューヨーク市民も、シンシアを「不適格」と考えているようだ。ネット上には「活動家としては立派だが、経験がない彼女に何ができる?」「有名人を政治家にする動きは、本当によくない」とする声が次々と上がった。
シンシアを応援するセレブ仲間・レズビアン仲間は、クリスティンの「不適格なレズビアン」発言に激怒している。レズビアンでコメディアンヌのマリー・コナーは「ミランダが不適格なレズビアンだというのなら、私もきっとそうなのね」と説明文を添えて、「不適格なレズビアン」とプリントしたTシャツをオンラインで売り出した。仲間たちの間では「このTシャツを着てシンシアを応援しよう」という流れになっている。
シンシアは昨年4月、人気トーク番組『ザ・ヴュー』に出演した際、クオモ知事は公教育向上のために何もしていない」と批判した。そして8月には「多くの人が私に州知事選挙に出馬してほしいと思っている」と発言。今年1月下旬にも出馬の可能性について「かもね」と答えていたため、彼女のニューヨーク州知事選への出馬は予期されていたものだった。
シンシアは今年1月末に、トランプ大統領初の一般教書演説に対抗して開催されたイベントに参加し、「トランプ大統領の就任から1年たち、私たちが学んだこと。それは私たちを救いに駆けつけてくれる騎兵なんていないということ。騎兵は私たち一人ひとりであるということ。18年は、私たち一人ひとりが政府を取り返すためにできることをする、そんな年にしなければならない」と熱く語っていた。今後はLGBTQ仲間や活動家仲間、セレブ仲間を使って華やかな選挙活動を展開し、盛り上げていくだろうと予想されている。アメリカ各地でさまざまなデモが活発化している今、「活動家として称賛されている彼女がこの選挙戦でビッグウェーブに乗る可能性は高いのでは」とする見方も出ている。
シンシアははたして、9月13日の民主党予備選でクオモ知事を抑えて党の候補に選ばれ、11月6日の知事選で勝利できるのか?引き続き注目していきたいところだ。