ビートたけしの円満じゃなかった“独立”が思い出させる「あの轍」
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎ご多分に漏れず?
報道当初は「そろそろ重い荷物を降ろして好きなことを」という終活的アピールで、円満独立が喧伝されていたわけであるが。ここへ来て、違う話がチラホラと。うーむ。思い通りに動く代わりに、金の管理はすべて嫁という、たけし独自の哲学というか不文律が、一気に危うくなっていく感じ。
たけしよ、お前もか。お前もなのか。しかもまだ「生前」だというのに、あの轍を踏んでしまうのか。末節ーっ!
すっかりダウナー系の意味で使われるようになってしまったが。久方ぶりにこみ上げてきたのでご唱和下さい。せーの、「たかじんフォーエバー!!」……。
◎家庭円満祈願
41歳、元タレント駆け落ち騒動。いやー、詰め込まれてるねファクターが。「元タレント」「不倫駆け落ち」「相手は年下大学生」「夫は糖尿病で失明」「24時間要介護」「透析」「夫婦ともに無職」「子どもは4人」「奨学金持ち逃げ」。どれか1つでもネットがざわつく可燃物を、ここまで効率よく。スニッカーズレベルでぎっしり。おなか大満足。
SNSで全部晒し、自分たちも顔出しで「全然キライじゃない」「いつでも帰ってきてね」と呼びかける父と娘。娘の拙いフルメイクがまた味わい深い。誕生日を祝われている動画での母親の服装、屋外での夫とのツーショット写真の絡みつき具合……。あー。ぎっしり。
これから、彼女が戻るまで、さらに戻った後の一悶着まで、もう撮影交渉に入ってることだろう。察するに今は見積もり中か。どこが独占するんだろうか? 魚心に水心ってことで、こういう物件はやっぱりフジか。「ビックダディ」「ハダカの美奈子」以来の、心震わせるあのベクトル、「上見て暮らすな、コレ見て暮らせ」が、2018年の今ふたたび。物価高いしね。
◎二世たちに聞かせたい
「モデルになりたいからオーディション受ける」と訴える娘に、「あなたがかわいかったら、とっくに空港とかでスカウトされてるはずよ。スーパーモデルだって、みんなスカウトなんだから。マミーもね!」と言い放った武田久美子。あー、心の残尿感が全て取れました。有り難うございました。
もうこれ額に入れて飾っとこうや。芸能事務所とテレビ局と代理店は。いや、子どものいる各家庭に配ってもいいか。とにかく、“ピシャリ・オブ・ザ・イヤー2018”は、この発言に決定だ! まだ3月だけど。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、近著に『気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)がある。