「アダルトVR」こそ女性向き!? 男性向けとの“決定的な違い”をSILK LABOに聞いた
専用ゴーグルを着用することで、360°全方向の映像を体験できるVR技術を使ったアダルトビデオが人気を呼んでいます。昨年ごろからタイトル数も大幅に増え、業界では「VR革命」とまでいわれるほどのブームに。市場のほとんどはセクシー女優が活躍する男性向け作品ですが、ようやく女性向けアダルト作品も登場してきました。作品を体験した女性たちからは、「VRこそ女性に向いている」という意見も……。そこで女性向けAVのパイオニア的存在であり、VR作品も手がけているメーカーSILK LABOの社長・牧野江里さん、同社VR作品の監督・イトウミナミさんに、そのノウハウと、女性向けならではのポイントなどを聞いてみました。
■VRは「リアルに抱かれてる」って感覚しかない
――男性向けアダルト業界では活況を呈しているVRですが、女性向けアダルトVRの現状はいかがでしょう?
牧野江里さん(以下、牧野) 2017年4月、女性向けアダルトVR第1作の『朝からカレに求められて…♡』をリリースしてから、ようやく1年ほどたちましたが、完全なアダルトVR作品に関しては、まだ4本しかリリースしていません。男性向け作品は、すでに3,000本以上も世に出ているのに対して、まだまだ市場は狭いですね。
――女性向けアダルトのパイオニアであるSILK LABOが、アダルトVRにも参画したきっかけは?
イトウミナミさん(以下、イトウ) 2016年末に、いわゆる「VR革命」が起こって、男性向けアダルトVRが盛り上がってきました。私はもともとその男性向け作品の編集作業を手伝っていたんですが、そこでVRのスゴさに魅了されたといいますか、これまでに手がけてきたエロとはまったくの別モノだなと、衝撃を受けました。とにかく女性向けも1本作ってみようと思い、海外ではすでにリリースされていた女性向けのVR作品をみなさんに見てもらったら、反応がスゴくて……。
牧野 男優さんが、キスしようと自分の唇めがけてズンズン迫ってくるわけですよ。慣れないうちは恥ずかしくて、顔をそむけてしまいました(笑)。
イトウ 映像はもちろんですが、臨場感たっぷりのバイノーラル録音(ステレオのヘッドフォンやイヤフォンなどで聞くと、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる録音方式)を採用しているので、音もすごくリアルなんです。耳元で囁かれるシーンでは、吐息が吹きかかる感覚や温度を感じるという方もいます。体験会でユーザーさんの反応を見ていると、ただ座って映像を見ているだけなのに、じっとり汗をかいてきちゃって「ゴーグルが曇って画面が見えない!」って方も(笑)。
――普通のAVを見る感覚とは、ぜんぜん違うんですね。
牧野 AVは、基本的に第三者の視点から俯瞰して見るものですよね。だからこそ、なにが起こっても「安全なところから眺めている」っていう感覚になるんですけど、VRはそこを超えてくる。
イトウ いままで2D作品でも主観映像はあったんですが、挿入シーンで「この男優さん、カメラに向かってこんなに腰振ってるんだ」って、現場を想像して冷静になっちゃったりするんですよね(笑)。でも、VRは「リアルに抱かれてる」って感覚しかない。一度体験してみたら、違いがよくわかると思います。